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女性管理職が語る

阿波踊りも育児も仕事も楽しむ そのバランスが私流 P&Gジャパン営業統括本部アソシエートディレクター 市川薫氏

2018/5/17

市川薫・P&Gジャパン営業統括本部アソシエートディレクター

 管理職として活躍する女性が仕事やプライベート、働き方への思いを自らつづるコラム「女性管理職が語る」。今回は新しい筆者が登場します。P&Gジャパン営業統括本部アソシエートディレクターの市川薫氏です。

◇  ◇  ◇

 「自分らしく働きたい」。私が学生だった時に就職活動の軸としていたことです。人の心を動かし、お客様・得意先・会社の3者の便益につなげることが求められる仕事にひかれ、営業という職種を選びました。

 入社してしばらくは優先順位を意識することなく目の前にある仕事にひたすらまい進しました。仕事から得る学びは大きく、自分のキャリアを続けつつ、家庭も問題なく両立できるだろうと考えていました。

 しかし、出産後に復職してみると、今までと同じようには働けない現実に直面し、仕事最優先の働き方を見つめなおす必要が出てきました。模索した結果、どの業務を優先して進めるべきかを常に意識し、その優先順位を上司とも確認する習慣が身に付き、新しい自分なりの働き方にたどり着きました。

 リーダーとなった今、ワーク・ライフ・バランスの向上を部下に促し、組織内で浸透させるために2つのことに力を入れています。

 一つ目は、仕事に優先順位をつけ効率化を図ることです。革新的なアイデアを生むためには気持ちの余裕が必要です。それには、上司が必要に応じて案件を取捨選択し、適材適所に振り分け、ビジネス上の優先順位に沿って仕事を減らし、効率的に仕事を進めることが重要です。これは私自身が子育てを通じて得た非常に重要なスキルでもあります。

 二つ目は、リーダー自ら会社の制度を率先して利用することです。当社には個人を尊重するという企業文化が根付いており、それを支える様々な制度があります。例えばオフィス以外での勤務が可能な在宅勤務制度や、日々の始業・終業時刻を自身で決定できるフレックス勤務制度などです。

 育児や介護などの理由がなくても誰もが利用できるのです。上司が積極的にこれらを活用し、「誰もが利用しやすい」職場環境を作り出すことは組織にとってとても重要です。管理職が前例をつくることで利用を迷っている部下の背中を押すことができます。

 私はワーク・ライフ・バランスを1つのビジネス戦略だと捉えています。充実したワーク・ライフ・バランスは、優れた人材をひきつけ、革新的なアイデアを生み出して組織を活性化します。結果として組織強化やビジネスの長期的な成長にも貢献できるのです。

 現在、私はスーパーやドラッグストアの店頭販促を支援する組織を統括しており、チームメンバーと充実した日々を過ごしています。一方、プライベートでは子供の成長や趣味の阿波踊りなどから日々大きなエネルギーをもらっています。仕事とプライベートにおける違った喜びを味わえることが、今も「自分らしく」働く活力になっているのだと思います。

 私は「Better Life Better Work」であり、ライフとワークはどちらも人生を豊かにする重要な要素だと思います。どちらかに偏るのではなく、最適なバランスで両方を楽しむ。変わりゆく人生の各ステージにおいて、その都度どのようにバランスをとるかを自分が決めることで、自分らしく充実した毎日を送れるのではないでしょうか。

いちかわ・かおる
 1997年、プロクター・アンド・ギャンブル・ファーイーストインク(現P&Gジャパン)入社。2017年から店頭販促支援のアソシエートディレクター。

[日経産業新聞2018年5月10日付]

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