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新緑輝く「森のダム」の絶景 散策したいブナ林10選

NIKKEIプラス1

2018/5/13 NIKKEIプラス1

ランキング1位のブナ林の風景です。さてどこでしょう
冬を耐えたブナが芽を吹き始めた。新緑が残雪の春山に輝く。
森深く老木が枝を広げ、夏は深緑、秋は紅葉に山を染める。
お勧めの散策ブナ林を山歩きのガイド、写真家ら10人に聞いた。

 「雪紅葉」という言葉を、秋田白神ガイド協会会長の斎藤栄作美さんから初めて聞いた。冬の間、ブナの芽は赤褐色の殻に固く覆われている。それが芽吹きとともにはじけ、音も無く舞い積もる。「ブナ林の雪原が薄赤く染まる光景はこの時期ならでは。今年はいつもより早いようです」とガイド歴30年のベテランは大木を見上げた。

 ブナはかつて北海道から九州まで全国に分布していた。特に東日本の日本海側の多雪地帯に多く、風雪に耐え身をよじる古木は、すごみすら感じさせる。ブナは「森のダム」とも言われる。ため込んだ雨水を徐々に放出をして森に潤いを与え、その恵みは動物や人間にもおよんだ。

 ただ、木材としてはねじれやすく柔らかいなど、使い勝手はあまり良くない。戦後は大量に伐採され杉やヒノキの植林に。高山の少ない西日本では規模の大きなブナ林はほとんどなくなった。

 心身ともにリフレッシュするブナ林の散策だが、山深くにあることが多く、自然災害などの影響を受けやすい。事前に最新情報を確認し、装備をチェックした上で、安全な散策を楽しみたい。

10位 天水越(あまみずこし) 290ポイント
歩きやすく家族連れにも安心 (新潟県)

 長野と新潟県境の尾根を結ぶ信越トレイルの終点に広がるブナの純林。豪雪地帯の風土に耐えた複雑な形のブナが多く、「未来に残したい日本の自然100選」にも選ばれた。「春は残雪とブナ若葉が輝くほどの美しさ。冬の間、雪に磨かれた幹は白さを増している」(鈴木澄雄さん)。「峠から天水山の山頂までは全山ブナ。巨樹が多く、トレイルルートとして整備されているので家族連れでも安心して歩ける」(金森康夫さん)。ブナの林が蓄えた雪解け水が潤す棚田は、山間集落のもう一つの魅力になっている。

 (1)北越急行まつだい駅(2)十日町市観光協会(025・757・3345)

8位 カヤの平高原 300ポイント
植物の宝庫 森林セラピー基地に認定 (長野県)

 スキー場で知られる長野県木島平村の標高1500メートル付近には高原が広がる。樹齢300年を超えるブナの原生林があり、総合案内所を中心に湿原、高標山などを結ぶ、トレッキングコースが複数ある。アップダウンがなく歩きやすい。森林セラピー基地にも認定された。「ブナ林の遊歩道は緩やかで新緑の中をくぐり抜けていく感覚。ブナの木の太さや混み具合など様々な表情を見せてくれる」(井田秀行さん)。北ドブ、南ドブと呼ばれる湿原は貴重な植物の宝庫。7月にニッコウキスゲの群生が咲き乱れる「北ドブ湿原までぜひ足を伸ばしてほしい」(同)。

 (1)JR飯山駅(2)木島平村観光協会(0269・82・2800)

8位 浅草岳 300ポイント
雪渓美しく 溌剌とした森 (新潟・福島県)

 豪雪地帯の新潟県魚沼市と福島県只見町にまたがる浅草岳は山頂部に咲くヒメサユリで知られるが、中腹にはブナ林が広がる。人の手の入らない手つかずの自然環境や豊富な動植物が評価され、2014年にはユネスコのエコパークに指定された。

 「福島県側の入叶津登山口から登れば、短時間で中腹のブナ林に到着できる。大きな母樹の周りには、幼木や青年木が生育し、各世代がそろった原生の樹林になっている」(鈴木さん)。山頂部には比較的遅くまで残雪がある。「初夏に登ったところ、雪渓に出るまでが、明るいブナ林だった。森がみずみずしく溌剌(はつらつ)としていたので、疲れ知らずだった」とみなみらんぼうさん。例年6月下旬に山開きする。

(1)JR只見駅(2)只見町ブナセンター(0241・72・8355)

7位 奥裾花自然園 310ポイント
80万本超のミズバショウも (長野県)

 長野県の西北端の旧鬼無里(きなさ)村に、長野県が自然保護のために整備した自然園。樹齢300~400年のブナやトチの原生林が見事で、林が囲む周囲1キロの今池には80万本を超えるミズバショウが群生し、尾瀬を上回る規模があるという。「何百年もの長い風雪に耐えてきたブナが湿原に清流を生み、水生植物を育てている」(竹田賢一さん)。「散策路は比較的緩やか」(井田さん)で、初心者も歩きやすい。「古代にはナウマンゾウが闊歩(かっぽ)していたという。まさにロマンチックゾーンである」(みなみさん)

 (1)JR長野駅(2)鬼無里観光振興会(026・256・3188)

6位 美人林 340ポイント
スタイル抜群の木々が名の由来 (新潟県)

 昭和の初め、一度は木炭の材料にするため伐採された跡地にブナが一斉に生えそろった。真っすぐに伸びる立ち姿の美しさからいつしか、「美人林」と呼ばれるようになった。木を見上げると「ラインダンスを見ているようだなー、と想像が膨らむ。豪雪地帯なのに四季折々のブナ林を散策できるのもここの魅力」(鈴木さん)。樹齢100年足らずの若いブナ林だけに、「若アユのようにピチピチしている。そばにいるだけで風の音がしなやかなのがわかる」(みなみさん)。林の中は「下草がほとんどなく自由に散策できる。幹は抱きつくにはちょうど良い太さで、ホッと心が休まる」(井田さん)。

 (1)北越急行まつだい駅(2)十日町市観光協会(025・757・3345)

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