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以心伝心は幻想 人間関係力はトレーニングで向上する 齋藤孝先生の「大人の人間関係力」講座(1)

日経ビジネスアソシエ

2018/5/12

コミュニケーションは訓練しないと身につかない(写真はイメージ=PIXTA)
日経ビジネスアソシエ

 「コミュニケーションが苦手」という人は多い。しかし、正しく学ぶ機会を得られれば、コミュニケーション能力は何歳からでも鍛えられる。『声に出して読みたい日本語』などを著した明治大学文学部の齋藤孝教授が「伝える力」について解説する。

  ◇  ◇  

 「話が下手」「人に会うのが億劫(おっくう)」「上司との相性が悪い」……。

 第一線で活躍しているビジネスパーソンから、こんな悩みを打ち明けられることがよくある。「コミュニケーションは苦手」と思い込んでいる人が少なくないようだ。

 だが、日本人のコミュニケーション能力は決して低くはない。「あうんの呼吸」という言葉に象徴されるように、すべてを語らなくても分かり合えたり、相手の表情から本音を見抜いたり、その場の空気を読んで発言を変えたりできるのが、日本人だ。言葉を介さず、以心伝心で意思疎通を図れるという意味では、むしろ私たちは、エスパー級のコミュニケーション能力を持っていると言えるだろう。この点について、すべての日本人はもっと自信を持つべきだ。

■トレーニング次第で「人間関係力」は向上する

 ただ、こういう「交信」が通用するのは、長年同じ環境を過ごした家族や友人、気が合う仲間内だけということが多い。いわばガラパゴス的な能力なのだ。

「人間関係力はトレーニングで向上する」と語る齋藤孝先生

 現代社会では、仲間内だけで通用するビジネスなど、ほとんど存在しない。むしろ、どんな人とでも積極的に交流することが求められる。

 特に昨今のコミュニケーションの手段と言えばまずメール、ということも多い。メールは便利なツールだが、対面で話すのに比べ、誤解を招く点もあり、双方の距離感を縮めることが難しい。伝達手段が便利になった現代だからこそ、高いコミュニケーション能力が求められる。

 ところが私たちは、学生時代から今日まで、こういう能力を本格的に鍛える場を持っていなかった。素質はあるのに、それを磨いてこなかったわけだ。「苦手」と思う人が多いのは当然だろう。

 野球選手としての素質があっても、トレーニングしなければ才能は開花しないように、コミュニケーション能力も、トレーニングしないと上達しない。言い換えれば、トレーニング次第で人間関係力はアップするのだ。

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