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「地獄の門」に「血の滝」 恐ろしく美しい自然の驚異

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/5/9

ナショナルジオグラフィック日本版

「地獄の門」は、天然ガスが燃え続ける大穴。数十年前から燃え続けている(PHOTOGRAPH BY GEORGE KOUROUNIS, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

 今回は、世界各地に存在する自然が生み出す驚異を写真で紹介する。ほとんどが危険な場所で、おどろおどろしい名もついた場所もある。しかし、同じ地球上とは思えない美しさもあわせもつ。自身の目でこうした地域を見てきた探検家のジョージ・コロウニス氏に案内してもらおう。

■息苦しい結晶洞窟

 最初に紹介するのは、トルクメニスタンの「地獄の門」だ。砂漠の真ん中に開いた大穴で、炎が噴き出している。この大穴の起源は定かではない。有力な説は、1971年に旧ソ連の地質学者が石油など天然資源の掘削調査をした際、地盤が崩落。漏れた天然ガスに引火したというもの。それ以来、この大穴は燃え続けている。

 ナショナル ジオグラフィック協会も支援した2013年の調査で、コロウニス氏は銀色の難燃性スーツを着用して、この穴に飛び込んだ。コロウニス氏に続いた者はまだいない。その当人でさえ、この「地獄の門」を恐ろしい場所の筆頭に挙げているのだ。

巨大結晶の洞窟。探検家が小さく見えるほど巨大なセレナイトの柱が洞窟内を貫いている。高温多湿な洞窟に長くはいられない。世界最大級の結晶を目にした人はごくわずかだ(PHOTOGRAPH BY CARSTEN PETER, SPELEORESEARCH & FILMS, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

 メキシコにある「結晶洞窟」も、訪れる人がほとんどいない場所だろう。世界最大級の結晶があることで知られるが、洞窟の真下にマグマだまりがあり、見た目とは違って観光客が行けるような場所ではない。

 「入った瞬間から、死へのカウントダウンが始まる」とコロウニス氏は説明する。「洞窟内の気温は50度。湿度はほぼ100%です」。コロウニス氏は2年をかけて、洞窟に1日入る許可を得た。現在、洞窟は地下水で満たされており、巨大結晶を見ることは当分できない。

■流れる青い炎、真っ赤な湖

インドネシア、東ジャワ州のイジェン山。硫黄ガスの炎が斜面を流れている(PHOTOGRAPH BY SUTANTA ADITYA, BARCROFT MEDIA, GETTY IMAGES)

 インドネシアのイジェン山も美しいが危険な場所だ。山の頂にターコイズ色の湖があり、夜にはエレクトリックブルーの炎が斜面を駆け下りる。幻想的な美しさとは裏腹に、湖水は腐食性が強い酸性で、青い炎の正体は硫黄ガスの火だ。

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