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正解は、(3)16~21人 です。

閉鎖空間では一気に感染が広がる恐れ

麻疹は、患者のくしゃみ飛沫などに含まれるウイルスを鼻や口から吸いこんで感染する「飛沫感染」、ウイルスが付着した患者の体や物に触れることで感染する「接触感染」のほか、空気中に漂うウイルスの飛沫核(飛沫の水分が乾燥した微粒子)を吸い込む「空気感染」でも感染します。

このうち最も感染を広げやすいのは空気感染です。麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、16~21人の人が感染してしまいます。インフルエンザ(2~3人)や風疹(7~9人)と比べても突出した数字で、その感染力の強さがうかがえます(下表、[注1])。このため、飛行機内やコンサート会場など閉鎖された空間では、一気に麻疹の感染が広がる恐れがあります。

麻疹ウイルスは、これまで麻疹にかかったことのない人、麻疹ワクチンを接種していない人など、麻疹に免疫のない人が感染すると、ほぼ100%発症します。

感染した場合、約10日~12日間の潜伏期間を経て、発熱や咳、鼻水など、風邪のような症状が現れ、2~3日経つと39℃以上の高熱と発疹がみられるようになります。発疹は耳の後ろ、首、額から始まり、全身に広がります。最初は鮮やかな赤い色の平らな皮疹ですが、徐々に膨らみ、他の皮疹と一体化して大きくなっていきます。

麻疹で問題となるのは合併症です。約3割の麻疹患者が合併症を起こすといわれます。頻度の高い中耳炎やクループ症候群(喉が炎症で腫れ気道が狭くなる)をはじめ、さまざまな合併症が知られていますが、特に注意しなければならないのが、肺炎と脳炎です。麻疹の死亡率は0.1~0.2%で、亡くなる原因のほとんどが肺炎か脳炎となっています。脳炎を起こすと、20~40%で後遺症を残します。

予防策はワクチン

唯一ともいえる予防策がワクチン接種です。麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)として接種されることが多く、接種すれば95%以上の人が麻疹ウイルスに対する免疫(抗体)を獲得できます。定期接種(1歳児、小学校入学前1年間の小児などが対象)を受けていない人、あるいはこれまでに麻疹に罹っておらず、ワクチン接種の有無が不明な人はワクチンを受けるべきでしょう。免疫があるかどうか分からない場合は、医療機関で抗体検査を受けることができます。分からない状態でワクチンを受けても問題ありません。

「麻疹かも」と思えるような症状には十分注意し、体調に変化が生じたときは医療機関を受診しましょう。その際、二次感染を防ぐためにも、麻疹の恐れがあることをあらかじめ伝えてから受診することをお勧めします。

(日経Gooday編集部)

[注1]国立感染症研究所 感染症研究センター 平成20年度危機管理研修会 プログラム 4「わが国におけるプレパンデミックワクチンの開発の現状と臨床研究」

[日経Gooday2018年4月27日付記事を再構成]

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