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1度は挑みたい 初心者も楽しめる市民マラソン10選

NIKKEIプラス1

2018/4/29 NIKKEIプラス1

1位の「東京マラソン」
大都会や観光名所を爽快に駆け抜ける市民マラソン大会が人気だ。背中を押す沿道の応援や名産品の数々で初心者でも楽しい大会はどこか。2018年ボストン・マラソン優勝の川内優輝さんら専門家11人が選んだ。

■競技の裾野拡大 大会の工夫カギ

 東京マラソンが始まった2007年ごろからのランニング人気を背景に各地で市民マラソン大会が立ち上がった。地域活性化の狙いもあり、観光とマラソンを合わせた「旅ラン」も広まった。ただランナーは減る傾向。笹川スポーツ財団によると年1回以上ランニングする「ランニング人口」は12年の1009万人をピークに減少に転じ、16年は893万人とされる。

 マラソン愛好家でつくる「フル百回楽走会」メンバーで、国内外で400回のフルマラソン経験がある吉野孝敏さん(76)は「5000人以上の大規模大会はスタートの渋滞も激しく、制限時間ぎりぎりのビギナーは参加しにくくなる」と指摘。「ランニング人口の裾野を広げるためにも、運営能力の高い大規模大会こそ、制限時間の緩和やウエーブスタートなどの工夫があってもいいのでは」と話す。

 市民マラソンは秋冬の開催が多いが、情報は早めに収集・検討して申し込みに備えたい。また、暑い季節の大会では熱中症にも注意が必要だ。医療態勢が充実した大会も増えてきたが、原則は自己管理。旅ランの前日泊などで旅行気分も盛り上がるが、十分な睡眠や水分補給を心掛けたい。

1位 東京マラソン 730ポイント
大都会で開放感 医療も充実

 2007年に始まり、市民マラソン人気のきっかけとなった。銀座、浅草、東京タワーなど大都会を走り抜ける開放感に加え、起伏が少ないコース設定に高い評価が集まった。ボストンやロンドン、ベルリンなどと並ぶ「ワールド・マラソン・メジャーズ」で世界的な知名度も高い。「世界六大大会の一つを日本で走れる喜びを全身で感じたい」(進藤昭洋さん)。「制限時間7時間で初心者も安心してエントリーできる」(松尾和美さん)

 ランナーに並走して異変に備える「ランドクター」や自転車で自動体外式除細動器(AED)を運ぶ「モバイル隊」も配備。「医療態勢も国内大会のフラッグシップになっている」(鈴木立紀さん)。当選倍率が高く、なかなか走れないのが難点。有料会員向けの先行枠や10万円以上の寄付で出走できるチャリティー枠もある。

 (1)19年3月3日(2)3万5500人(先行9倍、一般12.1倍=18年大会)(3)1万800円(4)10キロ、車いす(5)電話03・6635・5351(エントリーセンター)

2位 大阪マラソン 420ポイント
食い倒れに注意!? お祭り気分で

 2011年からと歴史は比較的浅いが、西日本を代表する大会として定着した。コースの起伏が少なく、御堂筋や道頓堀など大都市の中心部を走れるのは東京と同じく魅力の一つだ。当初は10月開催で暑さ対策も課題だったが、11月下旬の開催に変わり「気候的には東京マラソンより走りやすいかもしれない」(松本翔さん)との評価も。「道幅も広いので大きな渋滞が生じずに走れるのもよい」(内野雅貴さん)

 「食い倒れ」の街らしく、途中でたこ焼きやいなりずしなどを提供する「まいどエイド」も楽しい。食べ過ぎて走れなくならないよう注意、との助言もあった。これも土地柄か「沿道の応援が一番フレンドリー」(松野明美さん)、「声援が面白く、お祭り感が強い」(鈴木さん)といった声も目立った。

 (1)11月25日(2)3万人(4.1倍=17年大会)(3)1万800円(4)8.8キロ、車いす(5)電話06・6445・3978(コールセンター)

3位 神戸マラソン 410ポイント
港町 海沿い駆け抜ける

 港町の異国情緒を味わいながら海沿いを駆け抜ける。「最後の高低差が少し大変に感じるかもしれないが、海外からの招待選手も多く、折り返し地点で世界のトップスピードを感じられる」(中村友梨香さん)。「景色が良く、気持ち良く走れる。補食のチョコレートやカステラもうれしい」(松野さん)。申告タイムでグループ分けし時間差で出走する「ウエーブスタート」を2016年から導入。大規模大会の課題とされる混雑緩和に取り組んでいる。

 「日本マラソン発祥の地」の石碑から走り出すのも気分が盛り上がる。年代・性別ごとの標準タイム以内の記録を持つ人を対象にした年代別チャレンジ枠、出場経験のない人に限った初出場枠、女性限定のキラキラ女子ランナー枠など特別枠が充実していて申し込みやすい。

 (1)11月18日(2)2万人(3.7倍=17年大会)(3)1万300円(5)電話0570・018・500(ランナーコールセンター)

4位 NAHAマラソン 390ポイント
島の人の温かさ 背中押す

 30年以上の歴史を誇り、東京マラソンが始まるまでは国内最大級の大会だった。完走率の低さで知られ、2017年は約7割。「楽なコースではないが、美しい海も見える。トンネル内でさえ途切れない沿道の応援はなかなか味わえない」(川内優輝さん)。「背中を押してくれる応援やおもてなしに島の人の温かさを感じる」(松本さん)

 食事ができるエイドステーションは「沖縄そばやサーターアンダーギーでおなかいっぱい」(進藤さん)。「リゾートマラソンの先駆」(古賀浩之さん)だけに旅行と組み合わせた「旅ラン」目的の人も。

(1)12月2日(2)3万人(1.1倍=17年大会)(3)6500円(18歳以下と65歳以上は5000円)(5)電話098・862・9902(事務局)

5位 金沢マラソン 380ポイント
和菓子やカレー 名産ずらり

 「世界大会などを経験した豪華なゲストランナーがペースメーカーを担う取り組みが素晴らしい」(小林優史さん)。応援に親しみを込められるよう、ゼッケンにニックネームを記載できる試みも。「街全体で盛り上げる空気を準備段階から感じる」(松尾さん)。給食所には和菓子や練り物、金沢カレーなどの名産が並ぶ。

 古都の街並みだけでなく「メダルのデザインなどからも“金沢らしさ”が伝わる」(斉藤太郎さん)。先着500人だが、出場権付きツアーに参加すると無抽選で出場できる。3大会連続の落選者を優先して抽選する連続落選者枠も。

(1)10月28日(2)1万2000人(2.5倍=17年大会)(3)1万円(5)電話076・220・2726(事務局)

6位 京都マラソン 280ポイント
神社仏閣 古都の魅力堪能

 天龍寺、仁和寺、龍安寺、金閣寺、上賀茂神社、下鴨神社、銀閣寺の7つの世界文化遺産など多くの神社仏閣の周辺を巡る「観光コース」で古都を堪能できる。「多少のアップダウンがあるが、観光という意味では世界屈指」(松本さん)。仮装、会社名や商品名を身に着けるのは禁止。「コンセプトがしっかりしている。歴史の重みを感じる中で走らせてもらえるだけで感謝」(斉藤さん)

 10万円以上からの、ふるさと納税枠は複数での寄付も対象で出走権は譲渡可。大会ボランティア経験者の優先枠や、金沢と同様の連続落選者枠も。

(1)19年2月17日(2)1万6000人=18年大会(4.2倍=同)(3)1万2000円(4)ペア駅伝、車いす(5)電話075・366・0314(事務局)

7位 青島太平洋マラソン 210ポイント
南国・宮崎 景色でリフレッシュ

 太平洋を望む海岸沿いの走路など南国の宮崎県ならではの雰囲気。「しんどくなってきたところで景色を見てリフレッシュできる」(中村さん)。地元温泉街に宿泊する参加者も多いという。「参加料はお得感があり、最寄り駅から会場までのアクセスも良い」(松野さん)。フル初挑戦のランナー向けのチャレンジ枠も新設。

 民間が事務局機能を持つのは珍しいが「ストレスのない運営」(松本さん)が好評。地元の高校生らボランティアも大会を盛り上げてくれる。先着枠と郵便振替による抽選枠がある。

(1)12月9日(2)9600人(1.7倍=17年大会)(3)8500円(高校生7000円)(4)10キロ、3キロ、視覚障害者(5)電話0985・26・6781(事務局)

8位 函館マラソン 200ポイント
山麓から市街地へ 名所巡る

 函館山の山麓付近や市街地を駆け抜けるコースはバラエティーに富んだ景色が広がる。夏場に制限時間5時間20分とハードルが高めだが、ハーフに有力選手が多数出場。トップの走りを体感できる。フルは「日本一過酷なファンラン」、ハーフは「記録が狙える高速コース」の声も。

 道内屈指の観光地だけに「給食所のラーメンやようかん、フィニッシュエリアの海産物やメロン、ソフトクリームなどグルメが充実。赤レンガ倉庫など観光名所も楽しい」(川内さん)。お薦めの応援場所を印刷したグッズを配るなど街を挙げての応援も励みになる。

(1)7月1日(受け付け終了)(2)4000人(先着順)(3)9000円(4)ハーフ(5)電話0138・21・3576(事務局)

8位 ちばアクアラインマラソン 200ポイント
東京湾横断 海と空に囲まれて

 東京湾を横断する自動車専用道路を走る。海と空に囲まれる爽快感は格別。「普通は絶対に走れないコースが人の波で埋まる様子を見ると不思議な気持ちになる。隔年開催ということも含めプレミアム感がある」(川内さん)。初心者にはハーフもおすすめ。3時間10分というやさしめの時間制限で東京湾アクアラインを走れる。

 3~6人で参加する団体戦も18年から新設し、家族や友人同士で走る楽しみも増えた。障害者ランナー対象のパラ・スポーツ枠も。前日受け付け不要で、ゼッケンは事前送付してくれるのもうれしい。

(1)10月21日(2)1万2000人(1.5倍=16年)(3)1万2500円(4)ハーフ、車いすハーフ(5)電話043・223・4107(事務局)

8位 熊本城マラソン 200ポイント
地震からの復興 祈りを込め

 2012年に開始。熊本地震の翌17年は開催が危ぶまれたが、熊本城の瓦のかけらを参加賞とするなど復興の象徴として存続している。「ラスト1キロのきつい上り坂が最大の特徴。タイムは出にくく苦しいが、マラソンの醍醐味が感じられる」(松野さん)

 イチゴやトマトなどの名産品も味わえるエイドステーションが充実している。市街地を縫うように走るコースは沿道との距離も近く「地域挙げての運営が参加者に伝わってくる。制限時間7時間なので、初心者も気楽に参加できるのでは」(内野さん)。

(1)19年2月17日(2)1万3000人(2.2倍=18年大会)(3)1万円(4)30キロ、ファンラン(約3キロ)(5)電話096・328・2373(事務局)

◇  ◇  ◇

 ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。大会名。(1)次回開催予定日(2)フルマラソンの定員(抽選倍率)(3)フルの参加費(4)フル以外の種目(5)問い合わせ先。写真は1位が横沢太郎撮影。ほかは運営側の提供。

 調査の方法 マラソンランナーなど専門家の協力でフルマラソンを中心に「初心者・初級者でも楽しめる市民マラソン」32大会をリストアップ。専門家に「コース設計や開催時期の良さ」「申し込みやすさ・情報発信力」「当日の運営態勢が充実しているか」「景観・イベント性を楽しめるか」などを基準にランキングしてもらい、集計した。

 今週の専門家 ▽内野雅貴(ミズノスポーツサービス)▽川内優輝(マラソンランナー=埼玉県庁)▽古賀浩之(全国ご当地マラソン協議会)▽小林優史(アシックスジャパン)▽斉藤太郎(ニッポンランナーズ)▽進藤昭洋(ランナーズインフォメーション研究所)▽鈴木立紀(日本医師ジョガーズ連盟)▽中村友梨香(大阪ガス NOBY T&F CLUB)▽松尾和美(CHIBA RUNNERS.m)▽松野明美(元マラソン選手)▽松本翔(マラソンランナー=日税ビジネスサービス)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2018年4月28日付]

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