人工知能を描く大作『ウエストワールド』 初登場6位
2018年3月 海外ドラマ月間レンタルランキング
TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキングに新作『ウエストワールド』が6位で初登場。体験型未来テーマパークのウエストワールドを舞台に、人間そっくりのアンドロイドたちが自我に目覚める姿を描くSF大作だ。人気ドラマを次々と送り出す米国の有料ケーブル局HBOの最新話題作として、海外ドラマファンが支持。上位にランクインした。


『ウエストワールド』は全米では2016年に放送開始。製作総指揮にあたるのは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の監督を務めたJ.J.エイブラムスと、『ダークナイト』の脚本を手がけたジョナサン・ノーラン。ユル・ブリンナーが主演した、1973年製作の同名SF映画を原案に、新たな視点でオリジナルストーリーが描かれる。
ウエストワールドとは、天才科学者フォード博士が創造した体験型テーマパーク。西部開拓時代が再現された街で、人間そっくりのアンドロイドが「ホスト」として、「ゲスト」である人間をもてなす。1泊4万ドル(約440万円)の入場料を払ったゲストは、欲望のままに暴力やセックス、あるいは殺人までも自由に楽しむことができる。ホストは個別にシナリオをプログラミングされており、役目が終了すると記憶はリセットされる。だが、何人かのホストが自我に目覚め、プログラムにない異常な行動を起こし始める…。
フォード博士にふんするのは、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター博士役で知られる英国の名優アンソニー・ホプキンス。本作がテレビシリーズ初出演となる。さらに『アポロ13』のエド・ハリス、『レスラー』のエヴァン・レイチェル・ウッドら、ハリウッドで活躍する映画スターが多数出演している。
豪華キャストに加えて、総製作費約60億円をかけたリアルな映像も見どころ。広大な荒野に存在する西部開拓時代を再現した街並みは圧巻。修理のために一糸まとわぬ姿で並ぶアンドロイドたちの姿にも驚かされる。ストーリーも人工知能の進化という現代的なテーマを扱い、人間の存在とは何かを問う、根源的な問題に迫っていく。
■シーズン2には真田広之が出演
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏は、本作の人気の理由をこう分析する。「レンタル開始からわずか11日間で月間ランキングの6位に入るほど、勢いよく借りられています。1位に入った『ゲーム・オブ・スローンズ』などの人気作を多数制作している有料ケーブル局HBOが送り出した新しい大作だけに、期待が高まっていたようです。HBOは『トゥルー・ディテクティブ』『ザ・ソプラノズ』『セックス・アンド・ザ・シティ』といった先進的でハイクオリティーのドラマを次々と生み出し、米国ドラマの質を高めました。エミー賞などの賞レースでも常連とあって、日本の海外ドラマファンの間でHBOブランドの認知が定着していることを表すランキング結果といえそうです」

HBO作品の特徴は、有料ケーブル局のため、地上波のように放送コードに縛られることのない自由で大胆な表現と、膨大な予算をかけた映画をしのぐクオリティーの高さ。クリエイターからの信頼も厚く、映画界の大物監督やスターが次々と参入している。
『ウエストワールド』も、J.J.エイブラムスらハリウッドのヒットメーカーと、アンソニー・ホプキンスら豪華スターが集結して、人工知能の反乱という旬のテーマを壮大なスケールで描く、これぞHBOの大作といえる要素が満載。そこが目の肥えた海外ドラマファンを引きつけて、初登場で上位にランクインした。
全米では、この4月からシーズン2の放送がスタート。真田広之が重要な役で出演するという。HBOを代表する大ヒット作となった『ゲーム・オブ・スローンズ』に続く、新たな人気シリーズになる可能性も高そうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
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