「転職オファー殺到」が成功につながらない本当の理由経営者JP社長 井上和幸

率直に申し上げて、自分の力量把握が甘かったり、一定以上の実績をこれまでしっかり残していない方々が、この「人物力量仕分けステージ」で次々と望みを打ち砕かれることとなります。自身の強み・弱みを踏まえた、適切な求人での検討ができている方は、この仕分けステージをクリアし、次に進みます。

最終勝負は「同志に加えたいか否か」をクリアできるか

(4)よいところまで進むものの、いつも最終面接で落とされる

前半戦の選考をクリアし、2次、3次、最終面接へと進むものの、最終段階でなぜかいつもトーンダウンしてしまい、結果、ご縁に至らない。こういうタイプの方も少なくありません。

経歴、実績は悪くない。求めている要件はおおむね満たしてもらえそうだ。そう思われる方は、(3)の「仕分けステージ」をクリアし2次、最終へと進みます。しかし、最後にご縁があるか否かは、一つには「人間性的な部分でのフィット感」、二つ目に「ご本人の情熱、コミットメント」、この2つをしっかり感じられるか否かにかかっています。

要は、「一緒に働きたいと感じるか」。理屈をある面超えて、毎日共に机を並べて気持ちよく楽しく働けそうか(ある経営者は、「一緒に飲みに行きたいと思うか」とおっしゃっていました)。そして何よりも、「彼、彼女にこの仕事を任せたら、最後までやり切ってくれるだろう」と感じられるかどうか。

特に年齢や役割が上にいけばいくほど、この2点は非常に重要な最終採用決定のポイントとなります。この「同志に加えたいか否か、ファイナルアンサーステージ」で、あなたの本気度・本音が問われるのです。

必ずしもスカウトの声掛けの数が多いわけではなかったり、非常に限られた案件内でしか検討できないバックグラウンドや年齢であったりするのに、早期で良縁に恵まれる人は、(3)(4)のステージを最初からクリアされていることが多いです。

「転職活動=可能性を広げなければいけない」と考え、ご自身の専門職種や経験業界などを逸脱して、「なんでもできます!」「なんでもやります!」とアピール、応募される方を多く見ますが、全くナンセンスなことです。そうした行動が、失点、失策につながっていることをぜひ認識いただければと思います。「なんでも」とは、「あなたならではの、成果を出せる強みがない」とイコールです。

逆に、ご自身の得意領域、専門領域が限られている方は、それが明確であるがゆえに、採用する側の経営者や企業からすると、自社がキャリア採用で求めたい職務に合致しているか否かが分かりやすく、だからこそ当人もその専門領域への腹のくくり方や情熱を感じられることが多いのです。

スカウト数が多い方は、それに浮かれず、惑わされずに、自分の強みや今後やりたいことについて、しっかり明確化することで、「転職活動のための転職活動(=やみくもに応募、面談や面接の数を増やす労力)」から脱して、効果的、効率的な転職活動ができるでしょう。

初動のスカウト数が少ない方で、専門領域や方向性が絞られている方は、その詳細をより分かりやすく記述する工夫などはしつつも、決して意に沿わない方向に間口を広げるような勘違いはせず、ご自身にフィットした出合いを積極的に待ち続けてください。あなたにフィットした一社の一ポジションと出合えればよいのですから。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は4月27日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

井上和幸
経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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