安定がアダに 大企業のキャリアリスクは高まる?20代から考える出世戦略(31)

写真はイメージ=PIXTA
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新卒で就職するなら大企業。一生涯の安定を目指すのならそれは当然の選択肢でした。しかし安定の代名詞だった銀行すら将来性を危ぶまれる時代。安定を最優先にして大企業を選んで良いのでしょうか。むしろ大企業にいることでゆでガエルのように変化に気づきづらくなる場合もあります。大企業で働くことの安定とは、もしかするとすでに幻想になりつつあるのかもしれません。

転勤するか転職するか、という選択肢を前に

Aさんはそれなりに知られた大企業で活躍している20代後半の方でした。ただ、最近うかない顔をしているので、それとなく悩みを聞いてみました。すると次の人事異動で地方支店の営業部門に配属になるとのこと。たしかに彼は入社以来マーケティング部門で活躍してきています。それが、転居も伴う畑違いの営業職に就くとなれば悩むのも当然でしょう。

「せっかく築いたマーケティングの専門性を活かすために、転職とか考えてみたら?」

半ば冗談、半ば本気で尋ねてみたのですが、苦笑いが返ってきました。

「一瞬考えてはみたんですが、今の会社をやめるなんてもったいないと、色々な人に言われます。やはり規模もブランド力もある会社でないと、できる仕事に限界がありますからね。まあマーケティングはしばらく置いといて、営業を頑張りますよ。地方に住むことも悪くないと思いますし」

たしかに経営学においても、流されてみることがより良いキャリアを築くきっかけになる、というキャリアドリフトという概念があります。その意味ではAさんの選択は決して悪いものではないでしょう。

ただ、大企業にいることがキャリアの選択を狭めているのではないか、という疑問が生じたのも事実です。

会社任せのキャリアが幸せな場合もたしかにある

大企業に限らず、いくつかの支社や支店を持つ会社では、転居をともなう転勤があります。むしろ、転勤できることを条件に総合職正社員を採用するのが一般的ではないでしょうか。

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