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40代でも持久力向上 カギ握る「抗酸化」と「低糖」 プロトレイルランナー鏑木毅選手の健康マネジメント術(2)

2018/4/18

鏑木毅さん。40歳を迎えた2009年のUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)で世界3位になった際のゴール付近の様子(写真提供=鏑木さん)
日経Gooday(グッデイ)

 プロトレイルランナーの鏑木毅さんは、群馬県庁に勤務していた28歳の時に野山を走るトレイルランニングに出合い、40歳でプロになり49歳の今も現役で活躍する。鏑木さんのインタビュー第2回のテーマは、一時期は引退を考えたという、37歳の時の「第1段階の老化」とどう向き合い、どのように乗り越え、パフォーマンスに結びつけたのか。老いとともに低下する持久力を再び向上させるカギとなった「抗酸化」と「低糖」について語ってもらう。

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 20代や30代後半ぐらいまでは食事や栄養について今ほどストイックに考えていませんでした。エネルギーになれば食事は何でもいいと思っていたし、トレーニングだけでベスト体重を維持することもできていました。

■「第1段階の老化」を乗り越えるきっかけとなった人

 しかし、37歳の時に第1段階の「老化現象」を感じます。以前まではラクに登れていた山登りのトレーニングが、突然つらくなったんです。最初は、単に疲労が残っているのか、体調が優れないのかなと思いました。でもしばらくたっても、つらさはまったく変わらない。練習時のタイムも伸び悩み、疲れが抜けないために、こなせる練習量も少しずつ減っていきました。「ああ、ついに来た。これが老化か……」とショックを受けました。老化による衰えは少しずつ穏やかに表れるものではなく、突然、明確な形でやってくるのだと知りました。

 衰えをはっきりと自覚し始めた私は、「37歳まで国内トップで走り続けたのだからもういいだろう」と、一旦レースから身を引く決意をしました。そこで最後のレースとして、38歳の時にUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)に出場することにしました。これは、フランス東部のシャモニー=モン=ブランで毎年8月末に開催されるアルプスの山岳地帯を走る大会で、総距離約170km、制限時間46時間30分という過酷なレースです。

 まさかその大会で、その後のアスリート人生を揺るがすある人物との出会いがあるとは思いませんでした。その人物とは、当時58歳でUTMBに挑んだイタリア人ランナー、マルコ・オルモ選手でした。彼は2006年、2007年に57歳、58歳で2年連続優勝した伝説のランナーです。数日間かけ200kmから500kmの道程を走る、世界のアドベンチャーマラソンを69歳の今もなお走り続けています。

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