
最後に訪れたのは、高級ブランドが並ぶフォーブル・サントノレ通りに16年12月にできた「香水大博物館」。美しい白亜の建物は、19世紀には政治家や画家の居宅であり、その後は有名デザイナーのクリスチャン・ラクロワのブティックだった場所だ。

内部はモダンな造りで、いろいろな形で香りに触れる体験型展示がとても面白い。人類初の香水といわれる古代エジプトの香り「キフィー」を嗅いでみたり、50%の人は感じられないというステロイド由来のフェロモンの匂いを試してみたり。「香りの園」で11種類のほのかな香りを嗅ぎ分けたり、同系統の3種類の香りを嗅ぎ分けるテストにチャレンジしたりもできる。

「調香師の芸術」のコーナーでは、1500種類あるという香水の素材となる香りから25種類が選ばれ、実際に嗅ぎながら特徴や働きなどの説明が聞ける(日本語もあり)。単体ではよい香りといえなくても他の香りを抜群に引き立てる香りなど、調香の世界の奥深さに触れることができる。
50種類もの香水を取りそろえたブティックで好みの香りをいろいろと試して、パリの思い出に持ち帰るのも粋だ。
[取材協力:フランス観光開発機構、パリ観光・会議局、Tablet Hotels]
小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。