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食の達人コラム

浅漬けを究める 塩加減でうまさも食感もコントロール 魅惑のソルトワールド(15)

2018/4/6

浅漬けの盛り合わせ

 定食を頼むと、必ずと言っていいほど豆皿に盛られて、メインのおかずの脇にさりげなくちょこんと鎮座しているアレ。とんかつだったり、脂ののった焼き魚だったり、ちょっと油っこいものを食べたりなんかして、「ああ、ちょっと口をリフレッシュしたい」と願う時に、または、白いご飯をほおばって、「ちょっと塩っ気のあるものがほしい」と感じた時に、まさにお口の救世主のごとく活躍してくれるのが、そう、「漬物」です。メインにはならないのに、なんだかないとすごく寂しく感じてしまう、日本人の「心の友」ならぬ「お口の友」なのです。

 そもそも、漬物には3種類あるのはご存じでしょうか? 1つは、「ぬか漬け」や「味噌漬け」「かす漬け」など、発酵済の「床」に素材を漬けこむもの。2つめは、素材を塩漬けにして素材そのものを発酵・熟成させるものです。漬ける時間が長くなり発酵・熟成が進んだものは「古漬け」と呼ばれます。そして3つめが、素材を塩でもんですぐ食べる、発酵させないタイプ。これは一般的に「浅漬け」「即席漬け」と呼ばれています(発酵タイプでも漬け込み時間の短いものは、浅漬けと呼ばれることがありますが)。

 今回は、この中で最も塩の関与が深い浅漬けについて、塩加減による変化とお薦めの塩分濃度、そして浅漬けをおいしく仕上げてくれる塩とはどんなものかについて検証してみました。

 浅漬けは、材料を切って、塩をまぶすことから始まります。もちろん、うま味や辛味を付加したければ、切ったコンブやトウガラシなどを加えてもよいのですが、今回は基本として塩だけで作ります。

 塩には、素材と塩の浸透圧の差を利用して、素材から水分を吸い出す浸透脱水作用があります。元気のあった人が急にしょげて元気がなくなることを「青菜に塩」というように、青菜に塩をふると、外側と内側の浸透圧を同一にしようという作用が働くため、細胞に含まれていた水分が吸い出されて、しんなりとします。この作用は塩分濃度が2%以上の塩水の場合に起こります。これを利用して、素材から水分を抜いて、うま味やその味わいを凝縮させるのが「浅漬け」なのです。

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