宴会の前に確認 急性アルコール中毒、見極めのコツ

日経Gooday

正解は、(4)呼吸数が上昇する です。

「呼吸の抑制」が急性アルコール中毒による直接的な死因に!

お酒の席で酔いつぶれてしまった人がいた場合、急性アルコール中毒かどうかを見極めるにはどうすればいいでしょうか。

急性アルコール中毒の主な症状は以下の表の通り。どれも典型的なものですが、救急車を呼ぶタイミングを見極めるのは困難です。例えば、泥酔した人が眠ってしまったら、ただ寝ているだけなのか、あるいは意識がない状態なのか、素人には区別できません。この場合の判断基準は、「強く呼び掛けて、返事ができるかどうか」だと、川崎市立多摩病院救急災害医療センター副センター長の田中拓氏は言います。安易に救急車を呼ぶのはタブーですが、呼び掛けにまったく反応しない状態になっていたら、救急車を呼ぶことをお勧めします。

救急車が到着するまでの間、介抱する人にできることは「回復体位」という体勢にしてあげることです。回復体位とは、簡単に言えば、横に向けて寝かせること。嘔吐したとき、あおむけに寝ていると、吐いたものが喉に詰まって窒息する恐れがあるからです。横を向いていれば、自然に排出して窒息や誤嚥(ごえん)の危険性をかなり減らすことができます。

急性アルコール中毒は、早めに手当をすれば、ほとんどの場合、後遺症なく回復します。だが一方で、「アルコール中毒で死ぬことがある、という事実も覚えておいてほしい」と田中氏は強調します。急性アルコール中毒で死に至る場合、直接的な死因として多いのは、呼吸抑制です。お酒を飲み過ぎると脳がまひして呼吸する力がなくなり、呼吸を休み始めてしまうのです。

呼吸停止が起こった場合、幸い助かったとしても後遺症が残ることもあります。「呼吸が止まって、体に酸素を取り入れられなくなると、脳細胞はダメージを受けます。その状態のまま回復が長引くと、酸素不足で低酸素脳症に陥ります。重症であれば、低酸素脳症が原因で寝たきりになることもあり得ます」(田中氏)

急性アルコール中毒の救急搬送者は、20代が圧倒的

急性アルコール中毒で救急搬送される人は、 東京都だけでも年間1万4000人を超えます(2014 年、東京消防庁調べ)。その中でも、図の通り、顕著に目立つのは20代。お酒と上手につきあえる30代以降は激減しますが、再び60代で増えているので、中高年であっても油断はできません。

20代に急性アルコール中毒が多いことについて、田中氏は「自分の酒量の限界を分かっていないことが原因」と言います。「よく言われることですが、自分がどれくらい飲めるのかを知らない人が、場の雰囲気にのまれて過剰に飲んで倒れる。急性アルコール中毒の原因はこれに尽きます 。急性アルコール中毒の搬送件数が最も多いのは、12月の忘年会シーズンですが、行事の多い4月も要注意です」

4月の時期だと、入社したての新人が、職場の雰囲気に早くなじもうと、調子に乗って飲んでしまうということもあるかもしれません。自分の限界を超えて飲まないこと、そして、同席者に安易に飲酒をあおるようなことは決してしないこと。この基本中の基本を、いかに守るかが大切なのです。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday2018年4月2日付記事を再構成]

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