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それはやっちゃダメ!ストレス性便秘の意外なNG

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

便秘にいいとされる食物繊維。でもストレス性の便秘の場合、食物繊維のとりすぎで便秘が悪化することも。腸のためによかれと思っていることが実は間違いかもしれません。本当に効果的なストレス便秘対策について、3人の医師に教えてもらいました。

◇  ◇  ◇

「ストレス性の便秘は自律神経のバランスが乱れることで起こりやすくなる」と話すのは、鳥居内科クリニックの鳥居明院長。「緊張や不安などストレスを抱えた状態が続くと、自律神経の中で交感神経が優位になり、腸の動きが悪くなる」(鳥居院長)。すると便が腸の中で停滞し、水分がどんどん吸収されるため、コロコロした硬い便になってスムーズに出にくくなる。

「こうした便秘に痛みなどの症状を伴う場合は、便秘型過敏性腸症候群(IBS)の可能性が考えられる」(鳥居院長)。痛みが強く、日常生活に支障が生じるようなら医師に相談するのがベストだ。

「毎日必ずお通じがなければならない」という思い込みがストレス便秘を悪化させることも。「自分が快適に過ごせるなら、排便の回数はとくに気にしなくていいということを知ってほしい」と話すのは、久里浜医療センター内視鏡健診センターの水上健部長。「普段の食事の量が少ないだけでなく、体質によって、そもそもの便の量が少ない女性も多い。1週間に1度しかお通じがなくても健康で肌がきれいな人は少なくない。人と比べるのではなく、自分のペースを大切に」(水上部長)

これがストレス性便秘の特徴
・コロコロ便
・ベチャベチャ便
・おなかの痛み
・おなかの張り
 「腸はストレスの影響を受けやすく、ストレスがかかることで下痢や便秘の症状が悪化することがある。特に女性は便秘傾向になりやすい」(川崎幸クリニック心療内科の天野雄一医師)。過敏性腸症候群には、便秘と下痢を繰り返すタイプもある。

Case1 「便秘になるとトイレのことばかり考えてしまいます」

 → ×

「ストレスで便秘になりやすい人には完璧主義タイプが多く、便秘に対しても生真面目に向き合ってしまう傾向がある。『出さなければいけない』とトイレに意識を向けすぎることもストレスになり、便秘を悪化させる一因となる」と天野医師は話す。

そういう人に「気にするな」といっても、受け入れるのは難しいもの。そこで鳥居院長が薦めるのが「75点主義」。「いつも100点満点を目指すのではなく、75点で十分。これでいい、と考えるようにすると、気持ちに余裕ができ、ストレスを感じにくくなる」(鳥居院長)。

なお、「なぜストレスを感じるのか、どんなときに便秘になりやすいのか、といったことを自分なりに把握することも大切。ストレス解消の一歩になる」と天野医師はアドバイスする。

Case2 「便秘でも薬はあまり使わないほうがいいと思う」

 → ×

「ストレス性の便秘の場合、本来はストレスの原因を遠ざけたり、ストレスを発散させる"ストレスマネジメント"が望ましいが、それが難しいときには、薬の助けを借りることを考えてもいい」と天野医師。

また、鳥居院長は「便秘が長引くほど、直腸に留まった便が硬く、出にくくなる。そうした状態を防ぐ意味で、薬で排便を促すことは有効」と語る。

ただし、大腸を刺激して排便を促す「刺激性下剤」は、長期に使用する場合には向かない。「腸管内での水分の分泌を増やし、便を軟らかくして排便を促すタイプの薬がいい。定期的に服用することで、自然な便通が期待できる」(鳥居院長)

Case3 「便秘のときは、食物繊維の多いゴボウや玄米などをたっぷりとるようにしている」

 → △

便秘に悩む人のなかには、ゴボウやレンコンなどの根菜類や、玄米、キノコ、サツマイモ、豆類など、食物繊維を多く含む食品を積極的にとろうとする人が少なくない。

「たしかに、これらの食品に多く含まれる不溶性食物繊維には、便のかさを増やし、腸を刺激することで便意を促す働きがある。だが、腸がねじれて便が通りにくい状態や直腸に便が詰まって栓をしている状態でこういった食品をとりすぎると、おなかの中の便の量が増えるばかり。おなかが張って苦しくなったり痛みを生じることも」と水上部長。

食物繊維をとるなら、「不溶性食物繊維ばかりに偏らず、リンゴや海藻などに多い水溶性食物繊維を含め、適量をバランスよくとるほうがいい」(鳥居院長)。

Case4 「便秘でおなかが張るときは朝食を抜いたりしています」

 → ×

おなかが張るからと食事を抜くのは逆効果。「胃に食べ物が入ると、その刺激で大腸のぜん動運動が起こり、直腸へと便を送り出す『胃・結腸反射』が起きる。腸の動きを良くして排便を促すためにも、3食きちんととることが不可欠だ」と鳥居院長。特に朝は空っぽの胃に食べ物が入るため、胃・結腸反射が強く起こりやすい。「朝食をとることで、食後にトイレに行きたくなるという自然な流れができやすくなる」(鳥居院長)

また、油の摂取を減らすことも便秘の一因になるので注意。「油には腸を刺激し、便の流れを良くする作用がある。良質なオリーブオイルなどを適度に取り入れるといい」(鳥居院長)

Case5 「出ないときは強くいきんで出したほうがいいと思う」

 → ×

とにかく出したい一心で、猛烈な痛みに耐えてまで強くいきむのは厳禁。

「排泄時の強い痛みが迷走神経を刺激すると、心拍数や血圧を低下させる"迷走神経反射"という反応を起こす危険がある。失神したり、最悪の場合には死に至ることもある」と鳥居院長。実際、強くいきんだことで迷走神経反射が生じ、致死的不整脈によりトイレで死亡した人もいるという。

自力で出せない場合は早めに医療機関を受診すること。「場合によっては便秘以外の病気が隠れている可能性もある。一度きちんと診てもらうことが悪化を防ぐためにも重要だ」(鳥居院長)

Case6 便秘解消のためには激しい運動をしたほうがいいと思う

 → ×

運動不足は便秘の原因になるが、息が上がるようなハードな筋トレや、全力疾走するような激しい運動は交感神経の働きを優位にする。「腸の動きが悪くなっているストレス性の便秘にとっては、さらに悪化させる原因になりうる」と鳥居院長。

もちろん、適度な運動は便秘解消のために有効だ。「お薦めは1日10~15分程度のウオーキング。景色などを楽しみながらマイペースで歩くことで自律神経のバランスが整い、腸の動きが改善しやすい」(鳥居院長)

Case7 「トイレが近いので、水分摂取は極力控えています」

 → ×

水分不足は便秘の大敵。「十分に水分を摂取していないと、便が硬く、かさが減って、腸内をスムーズに移動しにくくなる」(水上部長)。特に冬や、ダイエット中で食べる量を減らしているときは、水分摂取量が減りやすい。便秘を防ぐためにも、1日1~1.5リットルを目安に水分をとるようにしよう。

「水を飲むときは、一度にたくさん飲むのではなく、起床直後や歩いた後、入浴後や就寝前など、喉が渇いたタイミングでこまめに飲むようにすると、体への負担も少ない」(鳥居院長)。

なお、「アルコールやコーヒーなども適量であれば、ストレス解消にも役立ち、便秘改善効果も期待できる」(水上部長)。

Case8 便意を促すためにお尻洗浄器で刺激しています

 → 〇

「お尻洗浄器による刺激には、便秘の赤ちゃんのお尻を綿棒などで刺激する"こより浣腸"と同じ効果がある。ただし、何度も洗浄しすぎると皮膚炎を起こすことも。あくまでも軽く刺激することが大切」(鳥居院長)

どうしても出ない場合は、坐薬や浣腸なども有効。「まずは出すことが第一。薬を適宜取り入れるといい」(鳥居院長)

ストレス便秘の豆知識(1)


腸の動きを良くするには、入浴や深い呼吸でリラックスするといい
 リラックスすると、副交感神経が優位になり、腸の動きも良くなる。「うまくリラックスできない場合、体がほぐれることで心もゆったりした状態になる。夜、ゆっくり入浴するのも有効」(天野医師)。「腹式呼吸も自律神経のバランスを整える効果が高い」(鳥居院長)

ストレス便秘の豆知識(2)


幸せホルモンとして知られるセロトニンがストレス便秘の大敵?!
 「ストレスを感じると、腸管では大量にセロトニンが分泌される。このセロトニンは、腸の動きを過剰にし、痛みやけいれんなどを引き起こす要因になる」と鳥居院長。脳では"幸せホルモン"として知られるセロトニンだが、腸で作られるものはまた働きが異なるようだ。

ストレス便秘の豆知識(3)


5点押しマッサージで腸が動き出す!
 便の流れに沿って、(1)右下腹部(そけい部の上)→(2)右上腹部(肋骨の下)→(3)左上腹部→(4)左下腹部→(5)おへその下の順に両手の親指の腹でプッシュ。「腸管をしっかり刺激するように、痛くない程度の圧で押すのがポイント」(鳥居院長)。起床後と就寝前に行うと効果的だ。
鳥居明院長
 鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)。25年にわたる大学病院勤務を経て、2006年に現クリニックを開院。豊富な経験をもとに、患者とじっくり向き合う丁寧な診療を行っている。
水上健部長
 久里浜医療センター 内視鏡健診センター(神奈川県横須賀市)。大腸内視鏡検査・治療、過敏性腸症候群・便秘の診断と治療が専門。「慢性便秘症診療ガイドライン」作成委員。『女はつまる 男はくだる』(あさ出版)、『IBS(過敏性腸症候群)を治す本』(法研)など著書多数。
天野雄一医師
 川崎幸クリニック心療内科(神奈川県川崎市)。日本心身医学会専門医・研修指導医。心身症全般の診断と治療が専門。患者一人ひとりに適したストレス・マネジメントの方法を考え、心身両面からのアプローチを行う。

(ライター やまきひろみ、イラスト 永野敬子)

[日経ヘルス 2018年4月号の記事を再構成]

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