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女性に朗報 デリケートゾーンの痛みは解決できる

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NIKKEI STYLE

40~50代の女性で、デリケートゾーンに痛みを感じている人が多い。なかなか相談できない悩みだが、実は女性ホルモンが減ることによって起こる膣(ちつ)の萎縮が原因だ。近年はレーザーで簡単に治療できるようにもなってきた。

◇  ◇  ◇

歩いたり走ったり、いすに座ったりするとき下着とこすれてひりひりする、サドルにまたがると痛いから、自転車に乗るのがおっくうになってきた……。あなたは、こんな経験をして悩んでいないだろうか。

女性ホルモンに関する書籍を出したせいか、社内や友人などの同世代の女性から、婦人科系の相談を持ち掛けられることが増えてきた。そんな中で、更年期が気になりだした、もしくは閉経を迎えた40~50代の女性から「聞いてよかった」と反応が高いトピックの代表が「デリケートゾーンの痛み・違和感」に関することだ。

50代管理職のAさんは、もともとシェーグレン症候群[注1]の傾向があり、目や口の乾燥が気になっていたのだが、最近は下着がこすれるだけでも痛くてたまらず、仕事にも集中できなくて困っているという。「こんな症状に対処法はあるの? そもそも、こんなトラブル、どこに相談にいったらいいの?」と聞いてきた。恥ずかしくてなかなか相談できなかったのだと打ち明けてくれた。

[注1]シェーグレン症候群は自己免疫による病気で目や口の乾燥などが症状となる。患者の大半は女性で、指定難病の一つ。

40代後半のBさんは、最近、体調がすぐれないので更年期のことを知っておきたいと話を聞きに来た。閉経後の更年期症状の例として膣の乾燥があるという話をしたところ、「実は最近、自転車に乗るのがつらくて困っていたのよ。これはホルモンがなくなったせいだったのね。通勤に必要だから、乗らないわけにもいかないし、立ちこぎも恥ずかしいからできなくてね」と納得した表情になった。

半数以上の女性に起こる不快感

不快ではあるけれど病気というほどでなく、さらにデリケートな部位のトラブルでもあるだけに、恥ずかしくて気軽に周囲に相談することがためらわれる。さらに受診する先は皮膚科なのか、泌尿器科なのか、婦人科なのか、いったいどこに相談したらいいのかわからない。こんな理由から、悩みを抱えたまま、身動きが取れない女性が多いようだ。

こうした症状を引き起こす犯人は「女性ホルモン」。女性ホルモンのエストロゲンは皮膚の潤いを保つ働きを持っている。そのため、閉経後の肌のシワやたるみの原因の一つが女性ホルモンの減少だということは近年、知られるようになってきているが、実はこれは膣でも同じということが知られていない。

エストロゲンが分泌されている間は膣の表面の粘膜上皮細胞はふっくらして膣壁に厚みがあるが、ホルモンの分泌が減ると膣壁が徐々に薄くなって膣自体が萎縮し、乾燥が進んでしまう。

もう一つ、膣の中には腸や皮膚と同様に常在菌(有用菌)がすみ着いていて、その菌たちのおかげで私たちの体内に外から雑菌が入り込むのを防ぐ自浄作用が働いている。常在菌は膣の上皮細胞のグリコーゲンを食べて乳酸を産生し、それが膣内のPHを酸性に傾けて膣内を清潔に保ってくれている。菌と人体の共存共栄の仕組みだ。この仕組みが崩れることで、膣表面が炎症を起こしやすくなり、痛みやかゆみなどの違和感が出やすくなるという側面もある。

AさんやBさんの症状は、薄くなり、乾燥が進んできた膣の表面が、下着や自転車のサドルで摩擦刺激などを受けて発生した痛み。こうした症状は、医学的には「萎縮性膣炎」と呼ばれ、実は卵巣からのエストロゲンの分泌が止まる閉経より前から、少しずつ進んでいる。そして閉経後4年もすると、半数以上の女性に症状が現れるという報告がある。

日本の最新研究では対象にした40代以降の女性1万人のうち、約45%の人が膣などのデリケートゾーンに何らかの症状があると答えている[注2]。しかし、欧米の更年期世代の女性を対象にした調査でも、自分の症状は膣萎縮が原因だということを理解していた人は4%にすぎなかった[注3]

[注2]2017年日本女性医学会学術集会発表データ
[注3]Climacteric. 2012 Feb;15(1):36-44.

大半の女性の「日常共通の悩み」に

膣の乾燥や萎縮の症状は昔から今と変わらず多くの女性にあったはず。だが従来、そのことによる生活上の悩みは、医療の現場では「性交痛」という形でとらえられていた。性交時に痛みが出てしまい、女性が性生活を疎ましく感じてしまう悩みだ。ただ欧米に比べ、熟年カップルの性生活自体が活発でない日本では、性交痛の悩みは特定の人の、きわめてプライベートなものというふうに捉えられがちで、社会の中でも日の当たりにくい話題であり、解決法についての議論も積極的ではなかった印象が強い。

社会に出てコンスタントに働く女性が増えた今は、状況が変わってきている。痛みやかゆみ、灼熱(しゃくねつ)感といった不快感を伴う膣萎縮は、そのこと自体が仕事のパフォーマンスを下げ、生活の質を下げる問題。プライベートな生活だけでなく、仕事にも大きな影響が及ぶ。多くの女性に共通の「日常的な困りごと」として認識される必要性が高まっている。

こうした社会的な背景もあって、近年はこのトラブルにスポットを当てた実態調査の研究が行われたり、新しい治療法の研究も進んでいる。

最新の治療法として注目したいのがレーザー治療だ。これは膣粘膜に、あるタイプのレーザーを照射することで細胞を活性化させ、膣の細胞の厚みや潤いを取り戻す。要は、デリケートゾーンの若返り治療というわけだ。

治療に使われるのは、にきび治療などにも使われる炭酸ガスフラクショナルレーザーというタイプのレーザー。中でも、モナリザタッチというマシンは、水分の多い膣粘膜専用に開発されたもの。その使用効果の研究結果を基に14年に米食品医薬品局(FDA、日本の厚生労働省に当たる公的機関)が承認した医療機器となったこともあり、日本でもこの1、2年で急速に導入する医療機関が増えてきている。

15分のレーザー治療でデリケートゾーンが若返る

モナリザタッチの場合、1度の施術でも膣の乾燥、灼熱感、かゆみや性交痛のほか、尿漏れなどの排尿障害でも効果が確認されている。尿漏れ改善のメカニズムに関しては、施術で膣壁の厚みが戻ることで、隣接する尿道を支えてくれるからだと考えられている。いずれの症状も3回の施術で施術前の半分以下にまで自覚的症状が抑えられ、84%の患者が結果に満足したとの結果だ。

膣にレーザーを当てるなんて! と驚く読者もいるかもしれないが、膣萎縮に対するほかの対処法は、女性ホルモンの市販薬の塗り薬や、膣に女性ホルモンの錠剤を入れる局所療法が代表的。いずれも、乳がん既往者などホルモン剤が「禁忌」とされる人は使えないし、ホルモン剤自体に抵抗があり、使いたがらない人もいる。

その点、レーザーなら女性ホルモン治療ができない人にも使える。女性ホルモン剤では効果が期待しにくい尿漏れに対しても、レーザー治療なら改善が期待できる点も朗報だ。

治療を受けた女性からは、日中の不快感も性生活の悩みも一度に解消し、以前に比べて気持ちが前向きになったという声を聞いた。

レーザーによる膣萎縮の施術が受けられるのは、婦人科や皮膚科、女性泌尿器科など。保険診療ではないが、ネットをみると1回あたり3万~10万円程度で実施している医療機関が多いので、実施の有無とともに問い合わせてみるといい。ちなみに1回の施術時間は15分程度。3日間ほど性生活に制限があるが、痛みや合併症などはほとんどないという。

年代によって女性ホルモンの分泌のアップダウンが激しい女性の体は、男性に比べて大きな変化にさらされている。しかし、更年期後の女性の活躍がこれまでの社会では少数だったため、多くの「不都合」は声として上がらず、知られないままに放置されてきた。

一生女性が働き続けることが当たり前となった今、「パフォーマンスをあげ、生活の質を高める」といった視点は、個人のためにも、社会のためにもさらに重要になる。

黒住紗織
 日経BP総研マーケティング戦略研究所主任研究員。90年、日経BP社入社。2000年より『日経ヘルス』編集部。その後『日経ヘルスプルミエ』編集部 編集委員など。女性の健康、予防分野の中で、主に女性医療分野を中心に取材活動を行う。共著に『女性ホルモンの教科書』(日経BP社)がある。女性の健康とワーク・ライフ・バランス推進員。
マーケティング戦略研究所

日経BP総研マーケティング戦略研究所(http://bpmsi.nikkeibp.co.jp)では、雑誌『日経トレンディ』『日経ウーマン』『日経ヘルス』、オンラインメディア『日経トレンディネット』『日経ウーマンオンライン』を持つ日経BP社が、生活情報関連分野の取材執筆活動から得た知見を基に、企業や自治体の事業活動をサポート。コンサルティングや受託調査、セミナーの開催、ウェブや紙媒体の発行などを手掛けている。

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