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「ITで遠隔地でも働ける仕組みを」 奥田美和さん 転勤族協会代表(折れないキャリア)

2018/3/31 日本経済新聞 朝刊

夫の転勤に合わせて国内外で6回引っ越し、10回転職した。IT(情報技術)分野の仕事をつなぎ、技術と知識を磨いた。今はリモートワークを使いながら人材企業のキャスター(東京・渋谷)でITコンサルタントとして働く。

転勤族として新潟県や大阪府、タイなどで生活。転勤先の地方の魅力発信も目指す。群馬県高崎市などで観光大使。43歳。

大学時代、プログラミングの授業で「自分の手でものを作り上げることは素晴らしい」と気付き、東京の金融系システム会社に総合職のシステムエンジニア(SE)として就職した。だが、大学時代から付き合っていた夫と結婚。夫の配属先の新潟県長岡市での同居を選び、2年で退職した。

退職後1カ月もすると専業主婦生活に飽きてしまい職探しを開始。「手に職があるから大丈夫」と思っていたものの、地方で社会人経験3年未満では応募できる仕事がほぼない。「IT系で通そう」と見つけたのはパソコンスクールのインストラクターだった。

東京に戻ると再びSEとして仕事を開始。新しいプログラミング言語を学び、必死に仕事をした。ウェブ制作会社や大学の研究室でIT系の仕事を次々に経験。求められるスキルはそれぞれ異なり、泣きながら仕事した日も少なくない。

「望まなくても勝手にブランクができてしまうのが転勤族の妻」と話す。大阪にいた2009年、仕事を決めた直後に再び夫の転勤が決まり「何で転勤に振り回されなきゃいけないの」と嘆いたこともある。派遣会社に登録したり、新聞の折り込みチラシを見たりしながら求職を続け、仕事に就く難しさを痛感した。

悩む過程でキャリアカウンセラーの養成講座に通った。転勤族の妻たちの働き方を考えようと14年に転勤族協会を発足。ある時ミサワホームから「転勤で培った収納スキルを教えてほしい」と相談を受け、設計の経験を持つ会員とプロジェクトチームを結成。分譲住宅作りなど、転勤族妻がスキルを生かした社会復帰の機会を得られるような活動ができた。

「ITという一本の道を通してきたことが良かった」。自信と技術が身についたと振り返る。培った技術を生かし、転勤族の妻が仕事を続けられるよう、遠隔地でも働けるリモートワークを広げる仕組み作りに貢献したい考えだ。転勤族の妻が仕事を諦めることなく、家族が一緒にいられる環境整備を目指す。

(聞き手は定方美緒)

[日本経済新聞朝刊2018年3月26日付]

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