お笑いコンビ、レインボー 「キレイだ!」で爆笑の渦
お笑いコンビ「レインボー」の人気が上昇している。元日恒例の『ぐるぐるナインティナイン・おもしろ荘へいらっしゃい』(日本テレビ系)で、17年にブレイクしたブルゾンちえみに続いて今年優勝。「キレイだ!」のフレーズで客席に笑いの渦をつくった。さらなる飛躍を目指し、勝負の年になりそうだ。

「おもしろ荘」のオーディションに参加した916組中、オンエアされたのはわずか10組。レインボーは、池田がワケありふうのきれいな女性役、実方がその女性を口説こうとするイケてないのに妙にキザな男性役でドラマチックなコントを繰り広げ、観客投票で1位を獲得した。
ストーリー自体に笑いどころがあるわけではないが、たっぷりと間をとって実方が「キレイだ!」と放つと客席が爆笑。このフレーズが飛び出すたびに雪だるま式に笑いが大きくなり、ゲスト席の綾瀬はるかが「表情とタメと言い方がすごい」、出川哲朗も「はやるニオイがする」と大絶賛した。
結成は2年前。共に吉本総合芸能学院(NSC)東京校の18期生で、もともとは実方が「感動ピスト」、池田がおばたのお兄さんと「ひので」で活動。やがてそれぞれのコンビが解散し「同期で一番面白い人と組みたいと思って、自分から実方に声をかけた」(池田)。
2人とも小学生の頃からお笑い好きだった。池田は「吉本新喜劇や『Matthew's Best Hit TV』を見て藤井隆さんのことを好きになりました。自分も歌って踊って人を楽しませたい。紅白に出たいという夢もあります」と目を輝かせ、実方は「最初はナイナイさんやウンナンさんにハマって、中学生になってからダウンタウンさんに。身近に常にお笑いがありました」と話す。
ネタ作りは「2人で対等にセリフを考える」(池田)。新ネタは月に2本ペースで下ろしており、この1年は目標を「おもしろ荘」に絞っていた。「お笑いのコンテストで勝つためには、ある程度ネタの道筋が必要だけど、『おもしろ荘』は道筋に関係なく自分たちがおもろいと思うものをぶつけてこいという大会。だから僕らにもチャンスがあると思った」(実方)、「M-1やキングオブコントではまだ勝てないですけど、ここなら爪痕を残せるかもって」(池田)。
目指す芸人像を尋ねると、池田は「もちろん藤井隆さん」と即答。一方の実方は「トレンディな俳優さんを研究しているので、憧れの人でいうと織田裕二さん。尊敬しているのは三谷幸喜さん。三谷さんのようになりたくてコントを作っているのかも」と明かす。
ロケットスタートを切った18年。ブルゾンちえみのような活躍が期待されるなか、実方は「まだ大きい隠し球があるので半年後くらいの勝負どころで出せたらと。めちゃくちゃ自信があります」と胸を張る。「キレイだ!」で一周したあとの動きにも要注目だ。
(「日経エンタテインメント!」3月号の記事を再構成 文/遠藤敏文 写真/中村嘉昭)
[日経MJ2018年3月16日付]
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