東宝の命運握る「ゴジラ戦略会議」 映画以外にも展開

日経エンタテインメント!

(C) TOHO CO.,LTD. 「GODZILLA[2014] 〈東宝DVD名作セレクション〉」(DVD/税別2000+税/発売・販売元:東宝) (C) 2014 Warner Bros. Ent and Legendary.

今後のシリーズ展開で意識しているのが「シェアード・ユニバース」の手法だ。アイアンマンやハルクなどがクロスオーバーするマーベル映画のように、ゴジラやモスラ、キングギドラなどが1つの世界観を共有。それぞれが主役の映画製作もあり得るという。

「『シン・ゴジラ』がヒットしたから『シン・ゴジラ2』を作ろう、というような場当たり的な考え方ではなく、長期で通用するような世界観を考えて、ゴジラワールドを作っていきたい。そして例えばモスラがフィーチャーされた年には、モスラを中心に商品化も動く。商品化もフィギュアだけでなく、日用品からアパレル、ゲームなどいろいろありますからどんどんゴジラを利用していきたい。

実はこれまで、海外での商品化権はレジェンダリーとワーナーさんが持っていたんです。だから我々がゴジラのTシャツを作って海外で売ることも、スマホゲームを開発して世界で展開することもしていなかった。それを今後は、すべて自社でやるようになります。

これはけっこう大きな話で、例えばゴジラのテーマパークを、ロサンゼルスに作ってもいいかもしれない。新宿のゴジラヘッドを売り物にして、海外のホテルにくっつけるという展開も考えられます。

キャラクターライセンスについても、ゴジコン設立後、新しい方向性を打ち出してきました。それまでタイアップなどでゴジラを使用する時は、必ず単体でなきゃいけない、などルールがあったんです。でも今は、特に設けていない。ゴジラの魅力は強さや脅威だけでなく、ユーモラスなところもあるから、多様な側面を出していいのでは、という考え方になったんです。また、そうじゃないと幅広い層にファンが広がっていかない」

キャラクタービジネスの核

近年、邦画業界で一人勝ちを続ける東宝。ドル箱の1つは『ドラえもん』などのアニメだが、それらは原作があり、東宝は著作権を持たない。また、製作委員会方式の映画では、ヒットしても実入りは各社に分配される。

しかしゴジラは、東宝が商標権を持つオリジナルキャラクター。しかも100%自己資金で映画製作してきたため、当たれば大きい。今後は海外でのキャラクタービジネスで、莫大な利益を生み出す可能性もある。ゴジラは東宝の永続的繁栄の鍵を握る、重要な存在だ。

「自社で100%IP(知的財産権)を持つのはゴジラだけ。リスクは高いですが、そのぶん自分たちですべてハンドリングできるので、ゴジラ映画で、100%出資を薄めることは考えておりません。

今後は、世界中の二世代、三世代で愛されるキャラクターにしていきたいですね。そのためにも、キッズに刺さるような絵本やアニメの開発にも力を入れたいです。

目標は、商品化権の国内市場規模を200億円以上にすること。今は150億ぐらいまで来てるので、2020年くらいまでには達成したい。そして東京五輪では、日本を代表するキャラクターとして、各国の人をお出迎えするようなことができたらと思っています」

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2018年4月号の記事を再構成]

エンタメ!連載記事一覧
エンタメ!連載記事一覧