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「名もなき家事」負担 男女の意識と世代間ギャップ

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NIKKEI STYLE

「家事の負担が重い、家事がつらいと感じている、若い世代の働く女性は少なくありません」(知的家事プロデューサーの本間朝子さん)。「仕事と家庭の両立」を考えるときに家事への不安を覚える女性もいます。家事の問題がなぜいま注目されているのか。背景と対処法を聞きました。

◇  ◇  ◇

ネットでじわじわ拡散し、賛否両論を呼んだ「名もなき家事」という言葉をご存じでしょうか。「料理」「洗濯」と名前のつかないようなこまごました家事、例えばトイレットペーパーを補充する、散らかった家族のものを拾い集める、ゴミ袋をセットするなど……。

一つ一つは大した時間も手間もかからないけれども、積み重なると大きな負担となってのしかかってくる。特に共働き夫婦の場合、男性は「家事は割と協力している」と思っているのに女性は「家事の負担が重い、夫はあまり協力してくれていない」と感じている。その意識のずれの原因が、この「名もなき家事」だというのが、大和ハウス工業が2017年5月に実施した調査の結果でした。

大和ハウス工業では、富山支店の女性社員が「家族で家事を分担しやすい家」を提案。当初は中部地区を対象に「家事シェアハウス」として商品化しました。

「最初、商品カタログの原稿を書いているチームの誰かがふと『名もなき家事……』と口にしたんです。これだ!きっとこの言葉からみんなが連想できる、と思いました」(大和ハウス工業住宅事業推進部営業統括部事業戦略グループ主任の多田綾子さん)

「名もなき家事」の負担解消をうたい、家事シェアハウスを17年初めから全国展開。17年12月までの販売実績は200棟を超えたといいます。

「購入者の中心的年齢層は30代後半。見学会の来場者は共働きが6割でしたが、専業主婦の方にも関心は高いようです」(多田さん)

百人百様「見えない」家事のプロセス

ネットでは「これまで心の負担だったことに名前をつけてくれてありがとう」という声の一方、「名もなき家事なんてくくることがおかしい」という声もあったそうです。

家事はプロセスが明確になっているようでいて、実際は百人いれば百通りのやり方があるといいます。やり方やレベルが個々に異なる部分の多くがこうした「名もなき家事」かもしれません。

家事に関して多くの著書がある本間朝子さんも「普通は、他人がどう家事をしているか見る機会がほとんどありません」といいます。いちいち口に出して説明したこともない、ささいな手順の多くが「名もなき家事」に相当するはずです。人に任せるより自分でやったほうが早い。そうして抱え込むことで「見えない化」され、さらに負担感が増していきます。

「家事がつらい vs. つらくない」50代あたりに境界線?

本間さんは毎月自主開催している無料セミナーなどで、年間600人ほどの主婦と交流します。その経験から、上の世代になるほど「家事は義務。やるのは当たり前」「なんで大変なのかが分からない」という女性が増えるといいます。「その境界線は、50代あたりにあるような気がします」

50代から上の世代は「ていねいな暮らし」にこだわりのある人が多く、「手抜き」に対して否定的な意見が多いようです。本間さん自身、共働きを始めたころに家事が苦手で悩み、家事を楽にしたいという思いから10年ほど前に「知的家事」を提唱し始めましたが、「当時は家事を楽にしたいとあまり大きな声で言えない雰囲気がありました。だらしない、と言われることも」。

現在もそうした世代間ギャップはあるようです。例えば30代前後の女性で、メーク道具をキッチンに収納している人が増えています。帰宅したらバッグもキッチンに置き、朝はキッチンで家事の合間にメークをすることで時間短縮をしているわけですが、それについても「キッチンで化粧なんて不衛生」「はしたない」という意見があるとか。

最近は、ハンガーにかけて干した衣類をたたまずにハンガーごとクローゼットに収納する人もいます。本間さんがある場所での講演で紹介したところ、参加者から「うちの地域では洗濯物をたたまずにそのまま着るのは死者の着方だとされてタブーです」という声が。家事のやり方と価値観は世代や地域によって多様で、現代はもはやこれが正解というものはないといえそうです。

家事の選択肢は多様、組み立て力が問われる

仕事や子育てが忙しく、家事に十分な時間がとれない若い世代は、結果として二極化していると本間さんは指摘します。上の世代が価値観を置く「ていねいな暮らし」にあこがれつつも現実にはそれに到達できずに「つらさ」を感じている人。その一方で「家事はやらない。むしろやってないのがかっこいい」と"ズボラ自慢"をする人すら現れてきたのは新しい風潮だそうです。

「人は目安を求めるもの。特に今の時代、基準に合っているかどうか分からないと不安を感じる人が多いです。家事に対する目安も自分の中で『家族が健康に過ごせればいい』など、決めることが大切」(本間さん)。「完璧にできないからダメ」と「0か100」のように考えず、休日は少し落ち着いて家事に充てるなど発想を変えることも大事といいます。

本間さんが提唱する「時短家事7つの法則」があります。それは「発想の転換(家事をやめる、レベルを変える)」「環境整備(リフォームなど)」「便利グッズ」「最新家電」「家事シェア」「家事代行」「小ワザ」。それぞれ、費用と効果の大小が異なるので、自分の状況に合ったものから取り入れていけばいいそうです。

「家事の選択肢を増やしましょうと提案しています。現代は情報が豊富、解決法は必ずあります。解決のための選択肢の組み立て力が問われると思います」

家事シェア成功の秘訣は

さて、冒頭の「名もなき家事」から話題になった家事シェアについて、成功の秘訣を本間さんに聞きました。

ある男性は洗濯した後、物干しハンガーに洗濯物をピンチ1つだけで止めていました。ここでありがちなのが妻からの強烈なダメ出し。でも「最終的に乾けばOK。特に夏なら十分それで乾きます」。

「妻の『こうあるべき』という思いが強すぎて、男性が自由な発想でやる家事にNGを出すことが多い。食器を洗った後の水切りの角度がダメとか。日本の家事のレベルは妻に合わせると家族には難度が高いので、結果に支障なければよいと発想を変えることが必要です」

自分のやり方と違うと否定されたら、次からはやる気がうせます。「おすすめは、『惜しい!』という声掛け。ここをあと少しこうしてくれれば、と付け加えれば、違うと言いつつも否定はしていないので大人も子どももすんなり受け入れられます」

家事を頼んだのに家族がなかなか動いてくれない場合、「自分でやったほうが早い」となりがち。これには「制限時間を明確に伝える」ことがポイントです。「急に言われても相手にもタイミングがあります。今すぐでなくてよいなら『「〇時までに〇〇をお願い』と伝えることで、家族も自分のペースで取り組みやすくなります」

(コンテンツ編集部 秋山知子)

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