スマホで桜写真 デュアルカメラのボケが人混みに有効
三井公一のスマホ写真術(第1回)
暖かくなっていよいよ桜の季節がやってきた。偶然見つけた桜やお花見で、ポケットの中のスマートフォン(スマホ)を使って、春らしい桜を撮影する機会も増えることだろう。そこで桜を美しく撮る簡単なコツをお伝えしたいと思う。
撮影には、iPhoneの最新機種iPhone Xと、Androidのスマホの中でもカメラに定評のあるHUAWEI Mate 10 Proを使っている。どちらもデュアルカメラの機種であり、その機能の使いこなしも紹介していきたい。
基本中の基本、手ブレを防ぐ
初回でもあり、まずは基本中の基本を押さえよう。
スマホのカメラに限らず、写真の失敗はピンボケと手ブレが原因のことが多い。雲ひとつない晴天下ならいいが、曇りの場合や夕方の場合、また強い風が吹いたり傾斜していたりする場所では手ブレしがちだ。またスマホは気軽に撮れるのでつい利き手だけでシャッターを切ってしまう。片手でスマホを持ち、もう一方の手で触れるようにシャッターボタンを切るといい。手ブレがグッと減りシャープな写真が撮れるようになる。夜桜撮影の時はさらに柵などに寄りかかると安定感が増すはずだ。
また片手で撮ると写真が傾いてしまう傾向がある。格子状のグリッド線を画面に表示するようにし、水平と垂直を意識して両手を使ってシャッターを切ろう。すると締まりのある写真になる。
順光で青空を背景に入れる
桜がキレイに見えるのは順光のときだ。太陽を背にして桜と向き合って撮影しよう。美しいピンク色を出すなら明るい日中がいい。青空を背景に入れるようフレーミングすると、花びらの色がより一層映える。この場合、花が暗くなってしまう場合があるが、そういうときは露出を変えて明るく撮るようにしよう。
iPhoneのカメラアプリの場合、画面を指先でタップして太陽アイコンを出し、現れたスライダーを上方に動かすと明るく撮影できる。
アングルを変えてみよう
印象的な桜を撮りたいのであれば積極的にアングルを変えてみよう。iPhone 7 Plus/8 PlusやiPhone Xは広角のレンズと望遠のレンズを持つデュアルカメラになっている。この2つのレンズを使い分けるだけで写真の出来が大きく異なってくる。
この2つのカットはiPhone Xで撮影したもの。桜とモデルの位置を変えずに、画面に写る対象の大きさがほぼ同じになるよう、モデルとの距離を変えている。広角レンズと望遠レンズを切り替えただけでこれだけ遠近感が異なってくる。桜の広がりやモデルのプロポーションが違うのがわかるだろうか。広いスペースがある場合は試したい簡単なテクニックだ。
デュアルカメラの「ボケ」を使う
デュアルカメラを搭載をしたスマホは、本格的な一眼カメラのようなボケ効果を作り出すことができる。しかしソフトウエアを使って疑似的にその効果を作り出しているので、小さい花が集まっている桜のような被写体は実は苦手だ。思い通りにボケなかったり境界がおかしくなったりしがちだ。そういう場合は少しずつアングルを変化させて、効果が一番よくなるように数多くシャッターを切ってみるしかない。
デュアルカメラは、違うシーンで効力を発揮することがある。この写真のように不必要に人物が写り込んでしまう場合だ。こういう時はiPhone Xのポートレートモードを使えば一発!きれいにいらないものがボケてくれる。混雑する花見会場でも役に立つ。
上目遣いで桜を見つめるモデルをHUAWEIのMate 10 Proで撮った。同機に搭載のワイドアパーチャモードを使えば、撮影後にピントの合った場所や、ボケの量をコントロールできる。自分の持っているスマホの機能をいろいろ使って、美しい桜撮影にチャレンジしてみよう。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。http://sasurau.com/
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