食べる順番を変えるだけで簡単な「ヨーグルト・ファースト」。ただし、ヨーグルトに含まれる乳酸菌などの多くは酸に弱い。生きて腸に届くことで発揮される乳酸菌などの機能に期待するなら、胃酸が濃い空腹時より、食後に食べたほうが効果的。免疫調整作用に関しては死菌でも効果が期待できそうだ。

20~40代の男女各10人に、(1)白米150g、(2)サラダ101gの後に白米138g、(3)ヨーグルト200gの後に白米120gをそれぞれ10分以内に食べてもらい、食後の血糖値を経時的に測定した。その結果、ヨーグルトを先に食べた群では血糖値の上昇が抑えられ、下がるのも早かった。

健康な男女9人を対象に試験。牛乳に含まれるカゼイン、ホエイの2種類のたんぱく質をそれぞれ飲んだ後の、腸管ホルモンGLP-1の血中量は、ホエイが明らかに高かった。(データ:Nutrition Journal;11,83,2012)
八木雅之教授
同志社大学 生命医科学部 糖化ストレス研究センター。分析メーカーに勤務後、2011年から現職。糖化の測定法や糖化抑制対策、抗糖化食材などの研究を進めながら、「糖化は老化」をキーワードに、アンチエイジングや疾病予防としての抗糖化に関するセミナーや講演を行う。

(ライター 茅島奈緒深、写真 福岡拓)
[日経ヘルス 2018年3月号の記事を再構成]