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東京ふしぎ探検隊

東京の地下鉄、レール幅なぜ違う 直通巡り二転三転

2018/3/11

八ツ山橋を走る京浜急行電鉄のレール幅は1435ミリ(東京都品川区)

 縦横無尽に張り巡らされた東京の地下鉄。東京メトロと都営地下鉄、合わせて13の路線があるが、実は線路の幅が同じではない。なかでも都営は4つしか路線がないのに、3つのレール幅が混在している。なぜこんな事態になったのか。歴史をひもとくと、そこにはレール幅を巡る苦難の歴史が潜んでいた。

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■都営地下鉄、4つの路線に3つのレール幅

 鉄道のレール幅は軌間、ゲージともいう。世界的には1435ミリメートルが標準軌と呼ばれ、採用している国が多い。一般的にレール幅が広い方が安定性に優れ、乗り心地が良くなる。速度も出しやすい

 都営地下鉄の場合、浅草線と大江戸線が標準軌だ。新宿線は馬車の幅と同じ1372ミリ、三田線は狭軌と呼ばれる1067ミリとなっている。なぜ違うのか。

 東京都交通局に聞くと、「直通する鉄道会社に合わせた結果」という。それぞれの路線がレール幅を選択した経緯を調べてみると、一筋縄ではいかない複雑な事情が見えてきた。

■京成電鉄、直通目指し全線でレール幅拡大

 都営地下鉄で最初に開通したのは浅草線だ。開業は1960年(昭和35年)。当初から京浜急行電鉄(京急)、京成電鉄との直通運転を想定して計画が進められた。

 東京都交通局が1971年(昭和46年)にまとめた「都営地下鉄建設史―1号線―」によると、1号線と呼ばれた浅草線をはじめ、都が建設する地下鉄は「既設の郊外私鉄と直通運転ができるよう規格を統一すべきである」という運輸省都市交通審議会(当時)の答申に従って進められた。都は京急、京成と協議を重ね、車両数が少ない京成が折れる形で、京急の1435ミリに統一することで合意した。

都営浅草線、京急線と同じ幅の線路を走る京成電鉄の車両(東京都品川区)

 ただし、浅草線と先に直通運転を始めたのは京成だった。当時、京成が使っていたレールは1372ミリ。直通を実現するため、なんと京成は80キロ以上にわたってレール幅を広げる工事を敢行したのだ。

 1996年(平成8年)発行の社史「京成電鉄85年の歩み」によると、全線を11の工区に分け、終電後に工事を行った。全長82.5キロの難工事だったが、1日も運休せず、2カ月弱で乗り切ったという。都心部への乗り入れは、同社にとってはどうしてもかなえたい悲願だったのだ。

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