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ビジュアル音楽堂

指揮者・藤岡幸夫 関西発のクラシックを届けたい

2018/3/10

関西フィルハーモニー管弦楽団(関西フィル)の指揮者になって19年目を迎えた藤岡幸夫さん。オーケストラが集中する東京以外の都市でクラシック音楽の裾野を広げたいと、関西フィルと共に歩み続けてきた。就任当初は財政状況が厳しかったが、今では本拠地のコンサートは毎回客席がほぼ埋まる。地元企業も数多く支援してくれるようになり、黒字が続いている。大阪を拠点に、全国にクラシック音楽を発信していく藤岡さんの思いを聞いた。

2018年1月、大阪のいずみホールで演奏会直前の関西フィルと藤岡さんのリハーサルの様子をのぞいた。本番を数時間後に控えた最後の調整で、張り詰めた空気が漂うかと思いきや、ステージからは笑い声も。演奏中でも思い通りの音色が響くと、藤岡さんは笑顔で楽団員に向かって手でOKサインを出す。楽団員側からも音の大きさやリズムについて質問が飛び交う。指揮者と楽団員が、本番ぎりぎりまでこれほど活発にやりとりする様子は初めて見た。

「ラテン系」な関西フィルとともに19年目

藤岡さんは「関西フィルとはいつもこんな調子」と笑う。「よくケンカもしますよ。19年もやってますから、いろんなことがありますけど、一つだけ言えるのは、根に持たないようにしている。ケンカをしても、次の日にはその相手の方に自分から声をかける。言いたいことはお互いに言い合っても大丈夫、という雰囲気をつくっている。意見を聞き合って『一緒に音楽をつくる』というのが僕たちのスタイル。いろんな人に驚かれるけれど、それは僕たちの特徴だと思う」

藤岡さんが関西フィルと出合ったのは、1998年。慶応義塾大学を卒業したあと、日本フィルハーモニー交響楽団の指揮研究員を経て英国王立ノーザン音楽大学で学んだ。その後英国でデビューし、欧州を中心に活動していた時に、関西フィルの客演に招かれた。指揮をした第一印象は「ラテン系なオーケストラ」だった。「普通、日本の楽団は練習中もシーンと静かにしている。ところが関西フィルは団員が楽譜を持ってああでもない、こうでもないと意見を交わしてざわざわしていて、その感じがとてもヨーロッパ的だった。団員の服装もみんなカラフルで、雰囲気があるんです」

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