「65歳までの貯蓄目標」 意味がなくなる、その理由

日経ウーマンオンライン

2018/3/1

高山 なるほど。長く働いて収入を得続けることができれば、必要以上に守りに入らなくてもよいということですね。

中野 そうです。ちまたでは、65歳までに老後資金として、2000万円、3000万円ためる必要があるといわれているようですが、65歳を過ぎても収入があれば、その一部を投資していけばいいのですから、その循環がうまくいけば極端な話、65歳の時点で貯蓄が少なくても大丈夫なんですよ。

「増やしながら使う」発想が人生を充実させる

高山 最近は、「少額投資非課税制度(NISA)」や「個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)」、「つみたてNISA」など、税制優遇のメリットを享受しながらお金を増やすことができるお得な制度がたくさんありますが、様子見という人もまだ多そうです。

中野 これらの制度は積極的に活用すべきですよ。老後の自分年金の準備として税制が優遇されているiDeCoは活用度が高いのですが、基本的に60歳までしか運用することができません。一方で、2018年1月からスタートしたつみたてNISAは、年齢の上限がないので、それこそ長生き時代には、活用度が高いといえます。

高山 60歳まではiDeCoで積み立てて、その後はつみたてNISAで80歳まで非課税で運用する、という活用方法もありですね。

中野 今の時代は、先行き不透明な時代で不安になってしまう人が多いと思います。不安だからといってお金をためることがばかりを考えずに、長く働き続けられるように、自己投資を怠らず、能力を磨いていくことが大切だと思います。長く働き続けることができれば、「65歳までにいくら貯蓄」に縛られることはなくなりますね。

(聞き手・文 高山一恵)

中野晴啓さん
セゾン投信社長。1987年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ運用責任者として資金運用等を手がける。2006年セゾン投信を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事、一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを開催。著書に「個人型確定拠出年金iDeCoで選ぶべきこの7本!」(ビジネス社)、「お金のウソ」(ダイヤモンド社)など多数。
高山一恵さん
Money&You取締役、ファイナンシャル・プランナー。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めた後、現職へ。女性と女性FPのマッチングメディア「FP Cafe」を運営。全国での講演活動、執筆・相談業務を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)、「1000円から増やす積み立て投資術」(スタンダーズ)」など多数。

[nikkei WOMAN Online 2018年1月26日付記事を再構成]