4.資格に依存しない

老後不安にさいなまれると、資格取得に走るケースがあります。働く目的や、自分自身の長期展望に必要なものであれば、ハードルが高くても挑むべきだと思いますが、できるだけ数多く資格を取ったほうが安心するというような乱獲型は、パワーとお金と時間が分散するだけで、安心につながるわけではないので注意が必要です。

5.異業種交流会や人脈づくりに期待しない

将来への不安を抱いて、何をよりどころにすればよいかわからないときなどに、異業種交流会や勉強会を活用してきっかけをつかめることもあります。しかし、目的や意思がないまま名刺ばかり増えても本当の人脈には育っていきません。人数の問題ではなく、長く関係を築ける信頼関係を大切にしてください。

6.学びのテーマを絞る

限られた時間で目的が定まると、何を学び、どんなスキルを身につけるべきか、自然に照準が絞られてくるはずです。多様なインプットは人生の刺激になりますが、インプット自体が目的化してしまうような学びは、限られた時間を奪ってしまうリスクがあります。アウトプットのために必要な学びと、刺激を得るための学びを切り分けてみるのも一つの方法かもしれません。

7.ルーティンを変えてみる

将来不安や老後不安を抱え、手を打ちたいと考えながら、何もしないままに時間ばかり経過していく、というような場合は、日々のルーティンを変えることも一策です。時間の断捨離をして自分自身の日常を変化させると、重要なことに使える時間が生まれることはよくあります。

8.ライフスタイルの激変を想定しておく

長い人生の中では、年代や環境の変化によって、ライフスタイルも何度か大きく変わるはずです。自分自身の身体能力や家族の年齢構成で、可処分時間や必要な生活コストも節目ごとに大きく変化します。これから先の人生について、必要なコストや環境など、必要最低限の生活イメージを持っておくと、いざというとき、フラットに考えられるモノサシになります。

9.長く働ける仕事について考える

「人生100年時代」といわれる中、60歳代、70歳代、場合によっては80歳代までも長く続けられる仕事や趣味を検討しておくことをお勧めします。年齢が上がると身体的にもきつくなり、新しく学べることはどんどん減っていきます。今のうちから始められること、始めておきたいことを実行に移してください。(関連記事「70代まで働く時代に向け、40代でやるべき7つのこと」参照

10.健康に留意する

老後に不安を感じていながら、肝心の老後を迎える前に倒れてしまっては、不安すら空振りになってしまいます。当たり前のようですが、ぜひ老後も質が高く、楽しめる生活が続けられるよう、健康にはくれぐれも留意してください。

――いかがでしたでしょうか。実態の見えない「モヤモヤした不安」に悩まされ続けるのは、人生の使い道としてぜひ避けたい時間です。不安の本質や課題を特定し、できることがあれば具体策を実行、防ぎようのないことはすっぱり諦めて、「人生100年時代」に与えられた時間を有意義なものにしていただければと思います。とはいえ、ライフスタイルを大げさに変える必要はなく、できるところから少しずつトライするだけでも、きっと新たな兆しは見つかるはずです。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は3月2日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
 ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」(【関連情報】参照)など。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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