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とろサーモン、結成15年のM-1王者 変わらない決意

日経エンタテインメント!

2018/2/7

 2017年12月に開催された、漫才師日本一を決める『M-1グランプリ2017』で優勝したとろサーモン。結成15年、出場資格ラストイヤーという最後のチャンスで初めて決勝に進出して、見事にエントリーした4094組の頂点に立った。悲願がかなった今、次に目指すのは何か。2人が語ってくれた。

左/村田秀亮、右/久保田かずのぶ。2002年結成。3月2日から『M-1ツアースペシャル2018』が全国6会場で開催される。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属(写真:中村嘉昭)

久保田かずのぶ 僕らは今までバカにされたり虐げられたりすることが多かった芸人人生だったんで。幸せは短いですけど……復讐は長いですよ、フフッ。

村田秀亮 やめて! 優勝者のコメントじゃないから!

久保田 優勝したからと言って苦い経験が清算されるわけではないからね。売れなかったから頑張れたこともあったし。だから、浮かれて悔しい体験を忘れてしまうほうが怖い。

村田 まぁな。正直な話、ラストイヤーでダメだったらお笑いを辞めようかなって揺らいでいたくらいでした。びっしりのスケジュール表を見て、まだ戸惑ってます(笑)。

 悪態をつきながらボケる久保田に村田がツッコむスタイルだが、11年ほど前は久保田のボケを村田が無視する「スカシ漫才」で頭角を現した時期があった。

久保田 完全にテレビを意識したネタでした。当時は『エンタの神様』がブームで、キャッチフレーズと芸人がセットになる風潮があったから、それを意識した部分もあって。でも、このままだとダメになると思って、スカシ漫才のオファーが来ても断って、普通の漫才をしてました。

村田 06年に『ABCお笑い新人グランプリ』最優秀新人賞をもらったり、結果も残せたんですが、スカシ漫才に関しては2人とも「期間限定」という気持ちだったんで。

■負ける顔をしていた2年前

 10年に東京進出。日の目を見ることがないなか、15年、『M‐1』が5年ぶりに復活する。出場するも結果は敗者復活戦2位。その年の覇者は、敗者復活を争ったトレンディエンジェルだった。

村田 あの年は忘れられないですね。敗者復活の舞台で、すでに負ける人間の顔をしていて…。

久保田 こいつは昔からハートが弱いんですけど、復活の舞台で顔が完全に死んでたんで。

村田 今思えば、結果が出ないから負けグセが付いてた(苦笑)。だから今回は決勝の前に久保田から「頼むからあのときの顔をするなよ」って言われて。

久保田 僕、めったに言わないんですけどね、そんなこと。

村田 最終決戦でやった「石焼き芋」漫才は15年の敗者復活でやったネタだったんで、本当にうれしかった。優勝した後に「2年前はあんな顔してすまんかった」って改めて久保田に謝りました。

 悲願がかなった今、次に目指すものは何か。

久保田 環境が変わりつつあることを実感しますけど、僕自身は変わりようがないと思ってます。クズみたいな人間ですけど、自分に正直に生きたほうが叩かれることが少ないでしょ? ただ、優勝した翌日、「朝の番組に久保田が出てる!」って言われたのはどうかと思いましたけど(笑)。

村田 イメージないからね。

久保田 ダークヒーローがいてもいいじゃないですか。僕は最終的には自分がやりたいことだけできたらいいと思ってます。でも、大好きな『ザ!鉄腕!DASH!!』にだけは出させてください。お願いします!

村田 どのポジションで!?(笑) 今はいただく仕事すべて新鮮ですが、はっきり言えるのは、この優勝によって久保田が変わることはないですし、僕自身もうしろ向きになることはもうないと思います。

(ライター 我妻弘崇)

[日経エンタテインメント! 2018年2月号の記事を再構成]

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