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5億年前の多毛類の新種 驚異の化石、神経の痕まで

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/2/5

ナショナルジオグラフィック日本版

多毛類(ゴカイ類)の新種「Kootenayscolex barbarensis」の化石。環形動物門というグループに含まれる(PHOTOGRAPH BY DR. JEAN-BERNARD CARON/ROYAL ONTARIO MUSEUM)

 驚くほど良好に保存された、小さな多毛類(ゴカイ類)の新種化石が発見された。神経とみられる軟らかい組織の痕も残っており、環形動物門の頭部がどのように進化したのかを解明する手掛かりにもなりそうだ。

 5億年以上も前のこと。いまのカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州クートニー国立公園にあたる場所で、激しい泥流が発生した。このとき、水中にいたゴカイのような小さな生きものが死に、泥に閉じ込められた――。これは近年発見された化石について、カナダ、トロント大学の博士課程学生であるカルマ・ナングル氏が考えた仮説の一つだ。この生きものはゴカイなどが含まれる多毛類の新種で、「Kootenayscolex barbarensis」と名付けられ、2018年1月22日付の学術誌「カレントバイオロジー」に発表された。

 論文の主要筆者であるナングル氏は、この化石を「衝撃的に良好な状態」と評価する。体長が約2センチしかない小さな体の両側には、髪の毛ほどの細さの微小な剛毛が多数生えている。さらに驚くべきことに、ゴカイやミミズ、ヒルなどを含む環形動物の化石では初めて、神経や管状の組織らしき痕が見つかった。

 頭部には「副感触手」という長い筒のような構造があり、前方の地面の様子を感じ取るのに使ったのではないかとナングル氏は言う。カンブリア紀に生きていたこの生物は、海底を這いながら有機物を食べ、そしてほかの種に捕食されることで、食物網のサイクルに関わっていた。彼らの子孫であるいまのヒルやミミズもよく似た機能を担っている。

■500種を超える化石のなかでも「決定的」

 数億年前、この化石が見つかった地域には、同様の小さな多毛類が無数にいただろうと研究者たちは考えている。

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