赤ちゃんゾウが溺れる! ゾウの家族、大慌ての救出劇
アジアゾウの赤ちゃんがプールに落ち、その母親らが大慌てで救出に駆けつける――そんな動画が、ゾウの家族の絆を体現し、共感を呼んでいる。
韓国、ソウル大公園の動物園で撮影されたこの動画には、1歳の赤ちゃんゾウがプールに近づき、うっかり落ちてしまう様子が映っている。その場にいた母親ゾウと、すぐに駆けつけたメスのゾウの2頭が、協力して赤ちゃんを助け出している。
家族の絆が極めて強く、共感能力が高いというゾウの性質は、この動画でも見てとれる。赤ちゃんゾウを助けに走る2頭のうち、親は13歳のメス1頭だけ。体が比較的大きいほうの36歳のメスは、彼らとは絆で結ばれた家族であり、それでも母親と同じくらい赤ちゃんのことを心配している。飼育下の環境においては、血縁のない個体同士が一緒に暮らすことになるが、それでも彼らは互いに固い絆を結ぶ。
しかし赤ちゃんゾウは、溺れていたわけではないようだ。ゾウの調査保護団体エレファントボイスの共同創立者で、ナショナル ジオグラフィックも支援するジョイス・プール氏によると、ゾウは泳ぐとき、鼻を水中から出して呼吸を続けるという。動画の赤ちゃんもそのようにしていることから、差し迫った危機の中にあったわけではないのだ。
ではなぜ、2頭のゾウはパニックに陥ったのだろうか。「ゾウは大げさな行動を取る動物で、特にメスではその傾向が強くなります。何かしら劇的なことが家族に起こると、彼らは大いに興奮します」とプール氏は説明する。「これは互いの絆を深めるプロセスの一部なのです」
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2017年7月5日付記事を再構成]
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