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六本木ヒルズ復活に一役、すご腕営業マンが語る極意

2018/1/20

 そのうえでこのボリュームの質を上げるにはむやみやたらに声をかけてもダメ。お金持ちのお友達はお金持ち、筋のいい顧客に筋のいい友達を紹介してもらうこと、そしてその筋のいい顧客に何度も利用してもらうことが大切なのだと教えてくれた。

 この支店長のアドバイスが後に生きた。30歳になった08年、飛松は森ビルに転職する。東京といえば新宿しか知らなかった飛松。あこがれの東京都港区の六本木での法人営業の配属で、テナントを六本木ヒルズに誘致する仕事だ。

 「ヒルズ族」という言葉まで生まれるほど、IT企業や外資系金融機関など資金力の豊かなテナント企業が集まっていた六本木ヒルズ。しかし、リーマン・ショックで金融機関が相次ぎ撤退した。楽天やヤフーなどIT企業も次々去った。入居するには順番待ちだった六本木ヒルズにも空き部屋が増え、一時は稼働率90%も割り込んだ。

 「これでは六本木ヒルズのブランドが毀損する。生きのいいベンチャー企業を呼び込まないと」。

■ベンチャーに照準

 ここで飛松は積水ハウス時代の支店長の言葉を思い出す。「紹介でやれ」――。飛松はベンチャーキャピタル(VC)を回った。あなた方が出資するベンチャー企業の中でいい会社を紹介してください。

メルカリなどベンチャー企業が六本木ヒルズに次々入居した

 Gunosy、メルカリ、CROOZ、KLab、UUUM……。業績はまだまだ。しかし、キラキラしていた。ベンチャー企業の一等星がつながって行った。

 好循環は次の好循環を生むようになった。「僕らは財閥系ではない。あなた方と一緒だ。僕らは面白い街をつくる。あなた方はその街の主人公なんです」。「熱量の高い」言葉で口説いていった。「みんな、最後は共感してくれ、またテナントが増えていった」

 今、飛松は企画部門となり、営業を後方から支援する立場となった。

 「『これはいい。面白い』と言われる新しい街づくりに挑みたい」と飛松。本当に良い街づくりは営業現場にいてはできない、きちんと考える部門にいることこそ大切だという。ただ、自分が作り出した街が、テナントになかなか理解されず、稼働率が苦戦するようなら「いつでも前線に復帰する」考えだ。

=敬称略

(前野雅弥)

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