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iPad用キーボード 画面の角度自在、まるでノートPC

日経トレンディネット

2018/1/22

BRYDGE 10.5は独自のヒンジにiPad Proを挟み込んで一体化。MacBookのようになる。大きく開いても安定するので低いテーブルでも楽に使える
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アップルの10.5インチ「iPad Pro」を手に入れてから、ずっと心待ちにしていた英BRYDGEのiPad Pro用Bluetoothキーボード「BRYDGE 10.5」(1万6650円)が発売された。独自のヒンジ機構を備え、iPad Proをまるでノートパソコンのように使える。日本国内ではリンクスインターナショナルが総代理店として取り扱いを開始。発売日に購入し約1カ月使い込んだ、その使い勝手をリポートしたい。

■iPad Proと一体化するキーボード

筆者はこれまで、購入したiPadに必ずキーボードを組み合わせて使ってきた。キーボードのほうが長い文章を楽に入力できるのが最大の理由だ。

12インチのMacBookも持っているが、手書きでメモを取ったり、説明図やラフ図を描いたりするにはiPad ProとApple Pencilの組み合わせのほうが使い勝手がよい。キーボード付きのiPadだけで作業が終わることもある。

iPad ProにiOS 11が搭載されてからは、ドラッグ・アンド・ドロップやマルチタスク操作を行う際にもキーボードがあると重宝する。iPadとキーボードを組み合わせて、パソコンのように使える場面が以前よりも増えた。

iPad Pro用キーボードならアップル純正のキーボード「Smart Keyboard」があると、多くの人は思うだろう。筆者も10.5インチiPad Proと同時に購入した。普段はiPad Proの画面カバーとして使い、組み立てればキーボード兼スタンドになる。薄くて軽いので、画面カバーとして使っている時でもキーボードが気にならないところがよい。

しかしノートパソコンのキーボードと比較すると打鍵感に不満が残る。iPad Proを開ける角度も固定なので、置き場所によっては打ちづらい。キーボードとして使う前に組み立てなければならない点も面倒に感じる。

それに比べ、BRYDGE 10.5は独自のヒンジを持ち、iPad Proを挟み込むことによって一体化する。MacBookのようになるので、使う時はiPad Proを起こせばすぐに使える。

最大180度、キーボードとiPad Proが平らになるまで開き、どの角度でもぐらつくことなくキープできる。大きく開けば、Smart Keyboardでは打ちづらい低いテーブルや、膝の上でも楽にキーボードを操作できる。筆者がこのタイプのキーボードを選ぶ際に重要視している点は、この使い勝手の良さだ。

ヒンジは丈夫なアルミ製でiPad Proと触れる部分はシリコンで覆われている。iPad Proを傷つける心配がないうえに、滑り止めにもなっている。また、かなりきつく挟み込むのでiPad Proが抜け落ちる心配もない。

BRYDGE 10.5のヒンジ部は本体同様アルミ製。iPad Proに触れる部分はシリコンでガードされており、滑り止めにもなっている。iPad Pro部分を持ち振っても外れることはなかった

■タイピングの心地よさは最高レベル

BRYDGE 10.5の実力を見ていこう。iPad Proとの接続はBluetooth 4.0で行う。技適マークを取得しているため、日本国内でも電波法に抵触することなく使用可能だ。

1日に2時間使うとしてバッテリーは最長12カ月も持つ。充電時間は約3時間。最近のBluetooth接続キーボードでは標準的だ。

筆者の実測したデータでは、バッテリーの残量が0%になった状態から約30分の充電で50%まで回復した。思い出したときに少しずつ充電しておけば、バッテリー切れにはならないだろう。

本体はキーボード側の面、裏面ともにアルミを削り出したパーツが使われている。実物を手に取ると、表面もiPad Proに合わせた加工が施されており、高級な印象だ。

キーに使われているプラスチック素材は手触りが良く、剛性も高い。しっかりタイプでき、ぐらつくこともない。ソフトなクリック感があり、打鍵音も静か。キーピッチは約17.5mm。Smart Keyboardとほぼ同じキーピッチで、一般的なキーボードよりも少し小さいが、違和感なく使える。

筆者がこれまで使ってきたiPad用のキーボードの中でも、気持ちよくタイプできるという点で最高の部類に入る。

キーボード上部のファンクションキーもBRYDGE 10.5の特徴だ。iPad Proの画面の明るさやキーボードのバックライトの調節、スクリーンキーボードの表示と非表示の切り替えなどが行える。

筆者が特に便利に感じるのは「ホーム」ボタンだ。このボタンを押すとiPad Pro本体のホームボタンを押したときと同じ動きをする。つまり1回押すとホーム画面に戻り、2回素早く押すと「Appスイッチャー」と呼ばれるアプリ切り替え画面が表示される。iOS 11ではDockも同時に表示されるので、そのままマルチタスク画面へスムーズに移行できる。

ファンクションキーの左側に用意された「ホーム」ボタンは、iPad Proとキーボードを組み合わせてマルチタスク操作する際にも威力を発揮する

■重さとUS配列が残念

筆者にとっては10.5インチiPad Proと組み合わせるならBRYDGE 10.5が最適だ。ただ、残念に感じる点もある。

(1)iPadと合わせて1kgを超える重さ

まずは重さ。キーボード単体で560gあり、10.5インチのiPad Pro(469~477g)と合わせると1kgを超える。1kgを切る12インチMacBook(920g)よりも重い。

10.5インチiPad Proと合わせた時の重さを測ると1052g。920gの12インチMacBookよりも重い

一方、使っていると、この重さにも意味があることが分かる。どんな角度でiPadを開いてもキーボード側が浮くことなく安定するのだ。

キーボードを浮かせることなく軽さを求めるなら、Smart KeyboardのようにiPad Proを大きく開けない構造にするか、iPad Proをスタンドで支える仕組みにする必要がある。軽さを求めるなら別の製品を選ぶほうが良い。

(2)キー配列はUSのみ

日本国内で販売されているパソコンの多くはJIS配列のキーボードが採用されている。JIS配列に慣れている人は、US配列のBRYDGE 10.5はタイプしにくい。最近ではSmart KeyboardもJIS配列が用意されたので、BRYDGE 10.5でも対応してほしいところだ。

この件を国内販売総代理店のリンクスインターナショナルに問い合わせたところ「現状では配列のラインアップに変更はありません」と返信があった。

ちなみにBRYDGE 10.5には、入力モードを切り替える[英数][かな]キーは無いが、[caps lock]キーを押すと直前に使っていた入力モードに切り替えられる。または[ctrl]キーを押しながらスペースキーを押して切り替える方法もある。

(3)「画面の下の縁から上にスワイプ」操作ができない

10.5インチiPad Proはほかのモデルよりもディスプレーの縁が狭い「狭額縁」デザインが採用されている。横向きに置いたときの上下側が特に狭く、下側の縁はキーボードの下に入ってしまう。そのためiOS 11でDockを表示するときなどに使う「画面の下の縁から上にスワイプ」操作ができない。

iPad Proの下側の縁がキーボードの下に隠れてしまう。「画面の下の縁から上にスワイプ」はキーボードが邪魔をして操作できない

キーボード上の「ホーム」ボタンを2回押せばDockを表示できるのだが、Appスイッチャー画面になるため、正確には「画面の下の縁から上にスワイプ」と同じ機能とは言えない。現時点では大きな問題ではないが、iOSのバージョンアップなどで、今後困ることが出てくる可能性がある。

とはいえ、BRYDGE 10.5のおかげで、MacBookとiPad Proの両方を持ち歩かずに済むようになった。Wi-Fiネットワークが無い環境でもインターネットに接続できるセルラーモデルのiPad Proの強みも生かせる。価格は高めだが、キーボードの質感、タイピングの心地良さにこだわるユーザーにも薦められる。

BRYDGE 10.5を装着した10.5インチiPad Pro(左)は12インチMacBook(右)と比較するとそれほど小さくはない。Wi-Fiネットワークがなくてもインターネットに接続できる点が魅力

(ライター 伊藤朝輝)

[日経トレンディネット 2017年12月18日付の記事を再構成]

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