無駄な「怒り」は消耗するだけ ぶつける前に分析を「怒り」との正しい付き合い方(中)

2018/2/19
「怒らない体質」になるためには?(PIXTA)
「怒らない体質」になるためには?(PIXTA)
日経ヘルス

日常生活でイラッとしてしまう瞬間は誰しもあるもの。しかし、怒り方を間違うと、自分を取り巻く人間関係に支障が生じてしまう。怒りを上手にコントロールする方法などを3回にわたって解説する。2回目は怒りの「分析法」について見ていこう。

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怒りのコントロールとは、怒らないように我慢したり、無理に抑え込むことではない。人を傷つけたり、後悔するような無駄な怒りを減らし、上手に怒りを相手に伝えられることを目指したい。

まず、怒ることと、怒らなくていいことの見極めをつけるための考え方を取り入れよう。「怒るかどうかの判断には、『状況の可変性』と『重要度』という2つの軸を使うといい。『怒り=困りごと』と捉え、自分は何に困っているのかを客観的に捉えられると、重要度は判断しやすい」と神田東クリニック院長の高野知樹さんはアドバイスする。例は、下のチャートの通りだ。

高野院長の話を基にチャートを構成

状況が変えられず、なおかつ重要度が低いと判断できたら、怒ることはエネルギーの無駄遣いなのでやり過ごす。重要度が高く、状況を変えられるのであれば、これから何ができるのかをじっくり考えよう。「その上で、怒りを伝える必要があると判断したときは、相手を責めるのではなく、怒っているという思いを伝えるようにしたい」と高野院長は話す。

丁寧な言葉遣いが怒りすぎの防止に

「怒らない体質」になるために、自分の「べき」を見直してみる。待ち合わせ時間は守るべきというのが自分の価値観だとしても、5分までなら遅れてもOKなど許せる範囲を広げていく。「その日の体調や気分によって、許せる範囲を変えてはダメ。キャパシティーを保つ努力を」と日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんは話す。

相手を傷つけるような怒り方をしがちの場合、声を荒らげるのではなく、あえて丁寧な言葉遣いで話そう。「自分の気持ちを客観的に説明することで、怒りすぎを防げる。読書や映画・美術鑑賞などで文化に触れて、ボキャブラリーを増やし、表現力を磨こう。『うざい・やばい・キレる』の3つで怒りを表現する子どもにも有効」と安藤さん。

怒りに持続性があり、思い出し怒りや仕返しを考えてしまう人は、「今」に集中できるマインドフルネス(瞑想)が効果的。怒りの頻度が高い人は、質のよい睡眠で心のコンディションを整えるようにしたい。

次回の記事では、怒りをやり過ごす方法やストレス解消の体操などについて紹介する。

高野知樹さん
 神田東クリニック(東京都千代田区)院長。日立製作所健康管理センター産業精神科主任医長などを経て、2009年12月より現職。医学博士、日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医、労働衛生コンサルタント。
安藤俊介さん
 日本アンガ-マネジメント協会代表理事。アンガーマネジメントコンサルタント。2003年に渡米し、アンガーマネジメントを学び、日本に導入した第一人者。企業、教育現場、医療機関等で数多くの講演、研修を行う。

(ライター 海老根祐子、構成:日経ヘルス 羽田光)

[日経ヘルス2018年2月号の記事を再構成]

日経ヘルス 2018年 3 月号

著者 : 日経ヘルス編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 700円 (税込み)