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次世代の新幹線N700S 細かすぎる5つの変更点

日経トレンディネット

2018/1/10

ただ古屋氏の言葉にもあったように、それは座席の数やドアの位置を変えないという条件のうえでのこと。JR東海はダイヤが乱れた際、予定とは異なる車両を使っても混乱が起きないように、そのような条件を設けている。逆に、JR東日本の新幹線車両は、東北・北海道新幹線や北陸新幹線、秋田新幹線など路線によって条件が異なっており、「顔」もバラエティーに富んでいる。

■ポイント3:カラーリングでも識別は難しい?

形が似ていても、塗装が変われば印象は大きく変わる。例えば東海道・山陽新幹線「のぞみ」などに使われている車両と、山陽・九州新幹線「さくら」などで使われている車両は、どちらもN700系。しかし、色が違うので全く異なる車両だと思っている乗客も少なくないだろう。

公開された車両は塗装前でアルミの地肌そのままだったが、近くには完成予想の模型が置かれていた。これがまた現行のN700系と瓜二つなのだ。よく見ると先頭に伸びる青い帯の形が変わっているが、それだけ。白いボディに青いラインという姿は不変だ。

デザインを監修する福田哲夫氏は「長年変わらない車体の色が安心感につながっている」と、デザインを大きく変えることには否定的。先頭に伸びる帯は「S」をイメージしたデザインとのことだった。

手前がN700Sで奥がN700系。青い帯のデザインが少し異なる

鉄道に詳しくない人が見分けるポイントは側面に付くロゴになりそう。現在のN700系でも当初の車両とN700Aで異なるロゴが描かれている。N700Sには別のロゴを作成するとのことで、斬新なデザインを期待したいところだ。

N700系のロゴ。現在はN700A相当の性能に改造されているため、右下に小さく「A」の文字が付け加えられている
N700Aのロゴ。青い帯を突き抜けるように「A」をデザインした大胆なロゴデザインで、N700系との違いがひと目で分かる

■ポイント4:大きく変わるのは見えない部分

見た目は代わり映えしないN700Sだが、技術面では大きく変わるという。その最たるものが「標準車両」という考え方だ。

車両にはさまざま機器を搭載する。すべてを1両に詰め込むことはできず、これまでは搭載機器により車両は8種類に分かれていた。N700Sでは、最新の半導体技術により、駆動装置を半分以下のサイズに小型化。その結果、1つの車両に従来より多くの種類の機器を搭載できるようになり、車両を4種類に統合できた。

コンバータ・インバータ(CI)と変圧器を同じ車両に搭載可能になり、車両の種類が半減した

これによって容易になるのが編成の組み換えだ。以前、JR西日本が山陽新幹線の「こだま」で4両編成や6両編成の新幹線を走らせていたことがあった。その際は、モーターが付いている中間車に、モーターがない先頭車から運転台部分を「移植」する大手術が必要になった。それほど、編成を短くするのは難しい。しかしN700Sでは4種類の車両を組み合わせることで、16両だけでなく12両、8両といった短編成を組むことも可能という。

もっとも、東海道新幹線は16両編成で統一されており、今のところ短編成の必要はない。考えられるのは、山陽新幹線や九州新幹線などで走る短い編成の置き換え。N700SはJR東海の単独開発で、使うかどうかはJR西日本やJR九州の意思に委ねられるようだ。ただ、過去も東海道新幹線をベースにした車両を導入しており、可能性は高い。

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