タキシードをそろそろ一着 大人の準礼装をさらりとプレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

もちろん、タキシードに非日常な特別感やフォーマル感があることは間違いありません。しかし、だからといって必要以上に身構えることもありません。「ドレスアップした雰囲気の中で人と交流する」という場面は日本にもすでにありますし、これからも増えていくでしょう。ビジネスマンであれば、そういう場面にも普通に対応できたほうが格が上がります。

タキシードだからといって必要以上に身構えることはない

ただ、日本では礼装といえば冠婚葬祭、結婚式やお葬式くらいで、ついつい「身構えてしまう」ところがあります。さらに、「変に浮いたりしないか」「頑張り過ぎと思われたりしないか」と、ドレスアップを怖がってしまいがちです。「普段どおりで十分」「面倒」という意識の方が勝ってしまうのも仕方ないかも知れません。

しかし、海外赴任などで日本の社会を外から見たことがあるビジネスマンに聞くと、「普段のままで十分」「面倒」という感覚では通用しない場所が多くあることがわかります。ですから、これから服装の意識もちょっぴり見直す必要があるのです。

例えば、招待状に「black tie」と書いてあれば、逃げようがありません。お声がけくださった人が「一応フォーマルだから」と言うのなら、タキシードです。

■タキシードが常識だなんて…

ここで冠婚葬祭を想像してはいけません。「ちょっと格式高い、堅い感じの」くらいのニュアンスでとらえてください。バレエやオペラなどの文化的催しものの初日もほぼタキシードです。

オーストリアのウィーンで、オペラのオープニングレセプションに招かれたある商社の中堅幹部は「タキシードが常識なんてあの時に初めて知ったけど、あとの祭りだった」と、うっかりふさわしくない服装で参加してしまったことを悔やんでいました。

もちろん、もしそうなっても日本人だから、出張中だから、ということで寛容でいてくれる人が多いと思います。しかし、やはり一人前として認められることではありません。

先の中堅幹部は「邪険にされたわけではないが、自分一人がこの中で『大人じゃない』んだなあとつくづく思った。やっぱり自分を含めて日本人って子供だと思った」と当時の心境を教えてくれました。

服装には「社会的成熟度」や「自己認識力」がにじみ出ます。また「人や場所に対する敬意表現」という機能もあります。大人であるビジネスマンなら、必要に応じて、タキシードをさらっと着こなし、その場の雰囲気を楽しめるようになっておきたいものです。

■タキシードは夜の準礼装

日本の礼服は「ブラックスーツ(礼装用の黒色スーツ。ディテールは普通のスーツとは異なる)」が一般的です。そのせいかブラックスーツを「第一礼装」のように思っている人も多いようですが、それこそグローバルスタンダードのドレスコードでは、ブラックスーツは「略礼装」に過ぎません。

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