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肥満の研究者が解説 「ちょこまか動き」で太らない!

日経ヘルス

2018/1/10

(イラスト:崎田ミナ)
日経ヘルス

 女性が気になるダイエットは、自律神経と関わりがある。長年、肥満と自律神経について研究してきた森谷敏夫さんにメカニズムを聞いた。

◇  ◇  ◇

 自律神経は、心や体の不調だけでなく、実はダイエットにも関係している。

 「自律神経の働きは『食欲』と『体脂肪の燃焼』に大きな影響を与える。ダイエットの成功には、『自律神経がしっかり機能すること』が、実は一番大切」と語るのは、日本と米国で応用生理学やスポーツ医学をもとに、肥満について30年以上研究してきた京都大学名誉教授の森谷敏夫さんだ。

 自律神経と肥満との関係を最初に指摘したのは、肥満研究で有名なジョージ・ブレイ博士。博士は1991年に「モナリザ仮説」(Most Obesities kNown Are Low In Sympathetic Activity)を提唱し、自律神経の働きの低下が肥満の原因であるとした。「ブレイ博士のこの考えは、科学的に妥当な理論として、今や世界中で受け入れられている」と森谷さんは解説する。

 自律神経と食欲、体脂肪は密接に関わっているという。「脂肪細胞は大きく2種類、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞に分かれる。食べ過ぎて白色脂肪細胞の中の中性脂肪が増えすぎると、白色脂肪細胞から食欲抑制ホルモンの『レプチン』が分泌され、体は自然と食べ過ぎを防止しようと働く」(森谷さん)

 レプチンが血液中に入ると、脳の視床下部の交感神経中枢に刺激が行く。すると、同じ場所にある満腹中枢が活性化し、脳は満腹感を覚え、もうおなかがいっぱいだと感じることができる。一方、副交感神経の中枢は、「摂食中枢」と同じ場所にある。「おなかがすいた。何か食べたい」というのは、摂食中枢の働き。交感神経が活性化して優位になれば、副交感神経の働きは抑制されるようにできている。抑制されると、私たちの食欲は自然に消え、食べるのをやめる。

 「このように自律神経がしっかり機能すれば、むやみに食べ過ぎることはなくなる。また、自律神経は、余分な体脂肪を消すために働く『体脂肪燃焼促進スイッチ』でもある。自律神経が元気に働いていれば白色脂肪細胞の中の余分な中性脂肪は、最終的に熱として消えていき、太ることはまずないはずだ」と森谷さん。

 しかし自律神経の働きのピークは、20~30代。それ以降は下降線をたどり、太りやすくなる。また女性の場合は更年期にホルモンバランスが大きく乱れることも関係し、自律神経が急激に衰え、さらに太りやすくなる。実際、森谷さんが行った調査でも、自律神経の働きが低下している人は太っていたという。

自律神経の働きがいい人は、大きな起き上がりこぼしのように交感神経と副交感神経が元気よく切り替わる。逆に働きが低下している人は、小さな幅でしか切り替わらない

 「自律神経の働きの低下を食い止めるには、自律神経を毎日意識的に鍛えること」(森谷さん)

 森谷さんが最も薦めるのは「ちょこまか動き」だ。「立ったり、座ったり。とにかくこまめにちょこまか動くことで自律神経は鍛えられる。同じ姿勢、同じ動作が3分以上続くと、血圧も心拍数も呼吸数も安定する。でもそのまま何も変化がないと、自律神経にスイッチは入らない。自律神経は『自動操縦』で切り替わりが少ない状態。これを打破するために3分ごとに動作を切り替え、自律神経を刺激することが大切」

 できるときに、意識をして動作を変える。例えば3分早く歩いたら、次はゆっくり歩きに切り替えて。日常の動作にメリハリをつけることで、自律神経は鍛えられるという。

 「カレーやキムチなど、交感神経を刺激し、活性化する食べ物を食事に取り入れるのもいい。自律神経の働きを高く保ち、肥満とは無縁のカラダづくりをしてほしい」と森谷さんは話す。

■自律神経の働きが低い人は体脂肪率やBMIが高かった

自営津神経の働きが低い人は体脂肪率やBMIが高め

 2002年7~12月に東京医科歯科大学更年期外来を受診した女性のうち、糖尿病や高血圧などではない人を除外した243人で分析。自律神経の働きが低い群と高い群でBMIや体脂肪率を調べたところ、自律神経の働きが低い人は体脂肪率やBMIが高かった。(データ:女性心身医学,19,3,271-277,2015)

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