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デジタル・フラッシュ

スマホにAIが降臨、進化に弾み VRは「独り立ち」へ 2018年のデジタルトレンド

2018/1/3

PIXTA

2018年、デジタル関連製品ではどのようなものがはやるだろうか。また、これからどんな技術が伸びてくるだろうか。ジャーナリストの津田大介氏、AV/デジタル機器に強い西田宗千佳氏、モバイル業界に詳しい佐野正弘氏といったMONO TRENDYの連載陣に加え、辛口評価記事で人気の戸田覚氏に予測してもらった。うち3氏が共通して挙げたのが人工知能(AI)。ユーザーにも身近なところで使われるようになってくる。

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■津田氏:AIによるカメラや翻訳の進化に期待

2018年で僕が注目しているトレンドは「AI」。17年5月には米グーグルのグループ企業である英ディープマインドが開発した「アルファ碁」が世界最強と言われるプロ棋士を破って話題になったが、18年はもっと身近なところでAIの恩恵が受けられるようになるのではないか。

たとえば「カメラ」。17年は「インスタ映え」がユーキャン新語・流行語大賞に選ばれたが、Instagramが普及したことで、カメラが自己表現のツールとなった。きれいな写真に対するニーズは18年もますます増えていくはずだ。すでに写真を加工できたりきれいに映したりできるアプリは数多く存在するが、本格的にAIが関わることで、この分野は飛躍的に進化するに違いない。プロのカメラマンが長年の経験から導き出すような、最適なライティングを瞬時に見つけ出す。人々のInstagramへの熱狂ぶりを見ていると、そんな機能を持つスマートフォン(スマホ)やカメラが出てくるのは時間の問題ではないかと思えてくる。

パナソニックのメガホン型翻訳機「メガホンヤク」。成田空港に導入されている

もう一つ、僕が気になっているのが「翻訳」。17年は音声入力をはじめとする機械翻訳が精度を大きく上げて話題になった。この点で僕が期待しているのは、言葉のテキスト化だ。話している言葉を他の言語に翻訳できるのだから、その言葉をテキスト化することもできるはず。たとえば2人が話している間に置いておけば、会話を自動的に文章にしてくれる機械。スマートスピーカーを使っていると、それが実現するのも遠くない気がする。取材で人の話を聞くのが仕事のマスコミだけでなく、ミーティングの記録や議事録作りにニーズはあるのではないか。

これまでは人間でないとできないと思われていたことを代わりにしてくれる、進化したAIとIoT(モノのインターネット化)を組み合わせた魅力的なデバイスの登場に期待したい。

津田大介
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。NIKKEI STYLEに「津田大介のMONOサーチ」を連載中。

■佐野氏:AIを使った端末の機能向上に期待

2018年に注目しているのはAIだ。といっても従来のクラウドを活用したAIではなく、端末側でAI関連の処理を高速にこなすチップセットの存在である。

クラウドを用いたAIは膨大なコンピューターパワーを生かせる一方、ネットワークを経由するため一定のタイムラグが発生するし、セキュリティー面での不安もぬぐい切れないことから活用範囲に限界があった。そうした問題を解消し、AI技術の活用をより広げる上でも、端末側で高速にAI処理をこなすチップセットに期待するのだ。

iPhone Xは顔認証機能でAIチップを使っている

そうしたチップセットは17年後半からいくつか投入されており、アップルの「iPhone X」がそれを活用し、高い精度を誇る顔認証システム「Face ID」を実現したことで話題となった。18年には、多くのスマホにチップセットを提供している米クアルコムが、AI処理の高速化に対応した「Snapdragon 845」を投入、スマホ端末内でのAI技術活用が本格化する。これを活用してスマホにどのような進化がもたらされるのかに、大いに注目している。

佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。NIKKEI STYLEに「佐野正弘のモバイル最前線」を連載中。

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