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女性管理職が語る

聖子さんも父もロールモデル 手本見つけキャリア積む 積水ハウスダイバーシティ推進室部長 小谷美樹氏

2017/12/28

小谷美樹・積水ハウスダイバーシティ推進室部長

 管理職として活躍する女性が仕事やプライベート、働き方への思いを自らつづるコラム「女性管理職が語る」を連載します。第2回は、積水ハウスダイバーシティ推進室部長の小谷美樹氏です。

◇  ◇  ◇

 7日に大阪商工会議所の「第2回大阪サクヤヒメ表彰」で大賞をいただきました。この表彰はビジネスや文化の分野で活躍する女性を応援するというものです。このような賞をもらえたのは、お手本となるような人(ロールモデル)がいたからだと思っています。

 私の仕事における「元祖」ロールモデルは、橋梁技術者として総合建設会社(ゼネコン)に勤務していた父です。仕事のことを生き生きと語る父は、子どもだった私の目に魅力的に映りました。

 私は大学を卒業し、今の会社に就職しました。先輩社員は男性ばかり。個性的で優秀な男性の先輩をロールモデルにするのが自然でした。

 キャリアを積むには、自分が生き生きと活躍できるような信頼関係を同僚や上司と築くことが重要になります。これには、まず信頼する上司と二人三脚で築いていくことになります。

 上司が任せてくれた仕事をしっかりやりきる。それをみた上司がさらに別の仕事を任せる。このサイクルをどれだけ回せるかがカギです。私の場合、住みよい住宅に関する研究開発を担当する業務に就いたときにこのサイクルを回しました。

 上司の仕事がいつの間にか自分の担当業務になり、企画書の作成から、実験、評価会、社内レビューを経て商品化の決定までを担いました。これを繰り返すうちに、上司の仕事がこなせるようになり、協力してくれる仲間もできました。

 当時は「何で自分ばかり仕事が増えるのか」と疑問を持っていました。今になってみれば、1つ上の職位の仕事をしたことだと理解できます。ありがたい修業でした。

 上司の厳しい指導にめげないようにする原動力はビジョンです。アイデアあふれる商品を世の中に出し、安全・安心・快適な住まいづくりを目標にやってきました。

 家庭と仕事の両立という側面での元祖ロールモデルは、デザイナーの母でした。母の背を通して社会が見え、家庭には活気がありました。

 家庭と仕事の両立で重要なのは、会社の制度をうまく使いつつ、その状況でどうやりくりするかです。家庭や会社における協力者と、子ども自身の自立がカギだと自らの体験で実感しています。

 仕事で一歩一歩キャリアを築く途中に結婚や出産、育児という大きなイベントに出くわします。環境にあわせて仕事を続けることでキャリアは積み上がっていきます。

 具体的な目標を立てにくいとしても、将来どう輝きたいかという未来志向のビジョンを持つことを忘れてはなりません。歌手の松田聖子さんが出産後も歌い続ける姿は、私のロールモデルのひとつになりました。

 当社では女性が活躍して管理職になることは、会社の成長に欠かせないと判断しています。そうした考え方を「ダイバーシティ&インクルージョン」と呼んでいます。

 身近な部署で管理職に女性が登用されると、我がことと思って管理職を目指す女性が現れます。書籍やメディア、ネットワークを通じてすてきに輝いている人のエッセンスを「パーツモデル」として取り込み、自分のスタイルで人生そのものであるキャリアを謳歌していきましょう。

こたに・みき
 1988年積水ハウス入社。住宅設計や内装、省エネ開発などを担当。92年に1級建築士の資格取得。2004年開発部課長、14年経営企画部ダイバーシティ推進室部長。

[日経産業新聞2017年12月21日付]

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