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大企業のミドルリーダーには、通り一遍のビジネススクールでは学べない「人に影響力を与えたり、時には意のままに操るような、もっと泥臭いヒューマンスキル」が必要――。このように説いたビジネス書「ダークサイド・スキル」(木村尚敬著、日本経済新聞出版社)が話題だ。ダークサイド・スキルとはどんなスキルなのか、本書の一部を転載して紹介する。今回は7つのスキルの6つ目「踏み絵から逃げるな」だ。

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お客の無理難題をはねつけられるか

踏み絵というのは、自分の信念が試される瞬間を指す。

部下に対して「自分はこういう人間だ」「自分が大事にしているのはこういうことだ」と普段から伝えていると、いざそうした信念が試される瞬間が来たとき、リーダーが普段の言動から少しでも外れたことをすれば、部下の信頼は一瞬にして崩壊する。みんなの気持ちが離れていってしまうのだ。

キリスト教の宣教師が、どんなに虐待されてもキリストの踏み絵を踏まずに自らの信仰を貫いたように、いざというときに、自分の価値観と違わぬ選択をし続けられるかどうか、リーダーの覚悟が問われる瞬間というのが必ず来る。

私の経験上、この踏み絵がやってくる瞬間として多いのは、お客とモメたときである。それも、こちらの非はさほど大きくないにもかかわらず割と無理難題をつきつけられてどうしようかというケース。そのお客が長年の上得意であればなおさらだ。いちばん簡単なのは、先方に「ごめんなさい」と謝り、ある程度の無理であっても聞いてあげて丸く納めることだ。とりあえず嵐は過ぎ去ってくれる。それによって、そのお客との関係は、多少交渉条件が悪くなったり一時的な費用が発生するにしても、その後も円満に続くだろう。

もちろん、ビジネスジャッジメントというものがあるのは事実であり、経済的な効果も勘案する必要がある。一方、それでは自分が普段言っていることとは違うし、会社としての方針ともズレている。自分、および会社が普段言っていることに素直に従うなら、ここはお客とことを構えて戦わなければいけない。

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