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おせち、作りますか買いますか そもそも食べない3割

手作りおせちを皿盛りに

「家族も、自分ですらも食べないのに、つい田作りを作ってしまう」「どうせ3日後に捨てるのはわかってるが、それでもひととおり用意する」「家族全員嫌いなのに、だて巻きがないと正月らしさが出ないから買う。そして今年も誰も食べない」と、捨てる辛さより正月らしさを優先する一派だ。それほどのものなのだ、正月とは。

子供がいて、両親がいて、祖父母がまだ若い。このパターンが一番おせちを手作りしている。「孫のために作る。年末の匂いとか記憶を残したいのかも」「おばあちゃんのおせちは世界一、と孫がいうとうれしそう」「子供におせちってこういうものだよと教えてあげたい」と、次世代に何かを伝えたい気持ちが伝わってくる。また「売ってるものより家族の好みの味にできる」という、現実的なメリットもある。

一人暮らしや、夫婦や親子二人だけだと、ぐっと「買う派」が増えてくる。「小さなおせちを買ってくる」「単品でいくつか買って、家でお雑煮だけ作る」など、おせちは少人数分作るのには向いてないという意見が多い。

栗きんとんなど「この一品!」に執着する人も

「この一品!」に執着する向きもある。

「だて巻き、だて巻き、だて巻き!」「他はどうでもいいけど栗きんとんだけは大量に食べないと、年が明けない」「酢ダコさえあれば年末年始OK」「チョロギはこの時期だけの美味」など、どうやらおせち以外ではあまり出合わないレアアイテムほど、執着されるようだ。また料理ではないが「とにかくお重が好き。買ったものでもお重に詰める」という人もいる。

今回のアンケートでは「正月肉」の存在も大きかった。多くの家に「我が家の正月に欠かせない肉料理」があり、「他はすべて買うけど肉料理だけは作る」というような家も珍しくなかったのだ。それも焼き豚、ローストビーフ、焼き肉、豚の角煮、酢豚、唐揚げ、とんかつ……と種類も豊富。日本の正月は、本当は肉に支えられているのかもしれない。

残り少なくなったおせちを小皿に盛り付けて

そして相変わらず、個人的に特化した「お正月マイルール」が面白い。「ごちそうはいらない。あえて普通にご飯を炊き、納豆とか食べている」という平常心の人。「三が日は全部回転寿司にいく」という寿司好き。「隣の島までブリの切り身を買いに行くため、人数は正確に把握せねばならん」という離島の人。もっとも憎たらしかったのは「おせち食べなくても北海道には他に食べるものがある。カニとか刺し身とかカニとか筋子とかあとカニとか」という、北から目線だった。くやしい。

膨大なアンケートの中、私には「正月にがっかりしたくない」という言葉がたいそう響いた。本当にその通りだ。新しい年の初めから、わざわざがっかりすることはないのだ。おせちが嫌いならやめればいい。好きなら食べればいい。作ってもいい。買ってもいい。正月くらい、好きなものを好きに食べればいい。正月の自分をがっかりさせないもの、それが本当のおせちだ。さあ、2018年は何を食べようか。

(食ライター じろまるいずみ)


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