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食の達人コラム

ご当地カツライス 丼でも定食でもない、独自の存在感 カツ丼礼賛(11)

2017/12/22

とんかつの発祥となるポークカツレツが生まれた銀座に立地するお店である。洋食の流れをくむカツライスらしく、とんかつ専門店でありながら付け合わせにはスパゲティナポリタンが添えられている。カツライスがとんかつよりやや薄いのは、とんかつより薄かったナイフで切り分けて食べたポークカツレツの名残りではないかと考えた。

現在のカツライスは昔のポークカツレツのように薄いわけではなく、しっかりたたいた柔らかい肉にサクサクの衣をまとわせている。かけるソースはポークカツレツの時代に定番であったウスターソースではなく、とんかつソースのようなトロみのあるソース。これを生みだしたのもこのお店だそうだ。大衆食堂でも見られるカツライスとは一味違うとんかつ専門店の正統派のカツライスである。

今治市、かねと食堂のカツライス デミグラス系ソースがたっぷりかかる

さて前回紹介した愛媛県今治市のデミグラス系ソースのたっぷりかかるカツライスは現在でも複数の店で食べることができる。明治25年ごろ創業の「かねと食堂」はうどん屋から始まった老舗食堂で、こちらでもカツライスがいただける。

カツライスはご飯、カツにたっぷりとデミグラスソースがかかるなかなかの迫力。サラダとともに福神漬けが出されるので、ご飯に添えていただく。今治ではカツライスには、カツカレー同様、福神漬けがつくのが定番のようだ。

レストラン西洋軒 デミグラスソースは創業以来作り継がれている

続いて他の地域のカツカレーと似たソースたっぷりのカツライスも紹介していこう。まずは島根県松江市のカツライスだ。洋食の流れをくむカツライスという料理は、松江の老舗洋食店のメニューにもあった。

「レストラン西洋軒」は昭和7年創業で、松江で最初にできた老舗洋食店。カツライスはたっぷりのデミグラスソースがかかっているが、創業以来作り継がれている歴史と伝統のソースで実にうまい。洋風カツ丼というメニューもあり、カツ丼にハヤシルーがかかるというもの。こちらにも自慢のデミグラスソースが使われているという。

お食事処ふののカツライス 洋食メニュー

同じく松江の「お食事処ふの」は昭和43年創業。庶民派の食堂のような風情だが、自家製デミグラスソースをたっぷりかけたカツライスは人気の逸品だ。器を覆わんばかりのカツにたっぷりのソース。洋食メニュー的な付け合わせにもお店の歴史を感じる。

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