「足の健康」と「靴の美しさ」 両立めざすオーダー靴ビスポーク靴職人 八巻裕介氏

2017/12/16

――整形靴の技術をどのようにビスポーク靴へ活用するのですか。

「基本的にはビスポークの言葉通り、お客さまと話しながら靴のイメージを作り上げていきます。その中で、足や身体を見せていただき、気になることを伺いながら状態を確認します。それを基に足の型取りをするだけでなく、材料選びや使い方に反映させます」

整形靴としての機能性とビスポーク靴の美しさの両立をめざした

――足の状態はどのように判断するのですか。

「筋力や骨の形、突起物だけでなく、足の関節の動きや身体全体を見ます。日常生活の過ごし方なども伺い、歩いてもらうと足や身体の状態がよく見えてきます。どんな人でも左右の足が完全な対称ではないように、足の長さも数ミリメートル単位で違うことがほとんどです。本人は気付かなくても、歩く姿をみれば左右どちらかに肩が落ちていたり、身体のどこかに違いがあることが分かります」

「必要だと判断した場合には、お客さまとの信頼関係を築いた上で足の悩みなどについても伺うことがあります。アンダンテではこれらすべてを『個性』と捉えています。その個性を引き立てる理想的なデザインをイメージできてはじめて型取りを行います。ラスト(木型)メーキングはとても重要な工程です」

――通常のビスポーク靴との一番の違いはラストメーキングですね。

「焼石膏(しょうせっこう)粉末と綿布を組み合わせた石膏ギプス包帯を足に巻き付け、足型を取ります。理想的なデザインを再現するために手作業で微調整をしながら固めます」

木型をつくるために、まずギプス包帯を足に巻き付けて型を取る
石膏ギプスの型に発泡樹脂を流し込み足の形を再現(中央)、さらに手作業で微調整を加えて木型(右)を作製する
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