なぜ人は目が悪くなるの? 遠くが見えにくい理由は?

目を悪くしないためにも、なるべく遠くを見たらよいといわれているよ。外で思い切り遊んだり、明るく自然な光があるところで勉強したりするといいと思う。

近視のもうひとつの原因は、水晶体や角膜の形が変わってしまうことだよ。もともと曲がった形をしているけど、もっと曲がってしまうと、目に入った光が網膜の手前に集まってしまうんだ。

水晶体が年とともにかたくなってしまうと、老眼ともいわれる「老視(ろうし)」になってしまう。

健康な水晶体は弾力があって、厚みをかえてピントをあわせている。遠くを見るときはうすく、近くをみるときは厚くなってレンズの性質を変えている。かたくなってしまうとレンズの性質が変わらず、ピントをあわせにくくなってしまう。

目が悪くなった人が「乱視(らんし)」だと話しているのを聞いたことがあるかな。乱視はどの距離でもピントがあわず、ぼけてみえてしまうんだ。レンズの働きをする角膜がゆがみ、入ってくる光もひずんでピントがずれてしまうよ。

目が悪くなっても、メガネやコンタクトレンズをするとものがみえるようになる。どういうしくみだろうね。

近視の人がかけるメガネは、中央の厚さが薄くて周辺が厚くなるレンズを使っている。「凹(おう)レンズ」というんだ。

凹レンズは光を広げて目に届ける。広がった光が目の中で絞り込まれるときに、ちょうど網膜の上でピントがあってくれる。遠くのものも見えるようになるよ。

逆に、中央が厚くて周辺が薄いレンズもあるよ。「凸(とつ)レンズ」だね。網膜上でピントがあって近くのものも遠くのものも見えるようになる。

レンズをのぞく以外に、光の入り口となる目の角膜を手術でけずる方法もあるよ。目にそなわったレンズの形を少し変えるんだ。網膜の位置でピントがあえばいいのだからね。

国の調査によると、昔より近視の人が増えているんだって。外で遊んで、遠くを見る回数が減ったのが原因かもしれないよね。近視の人は今後も増えるといわれている。ゲームやテレビに熱中したら、遠くをながめたり、しばらく目を休めたりしたいね。

■遠視は遠くも近くも見えにくい

博士からひとこと ものが見えにくくなる原因には、近視とは別に遠視(えんし)もある。遠視という言葉から「近くが見えにくくて遠くが見える」と思われがちだが、実は遠くのものも近くのものも見えにくい。
遠視は目の表面から入った光が奥の網膜よりもさらに後ろでピントがあってしまっている状態だ。目の表面から奥、つまり角膜から網膜までの長さが短い人がほとんどだ。無理にピントをあわせようとすると、疲れの原因になる。近視と同じように、角膜や網膜の形が原因の人もいる。
遠視でもよく見えるようにするメガネには凸レンズを使う。レンズの真ん中が厚くて周囲が薄くなっており、光を集める働きがある。光がちょうど網膜の位置で焦点を結ぶようにしている。
多くの人は生まれたときは遠視気味で、成長とともに目が大きくなって健康な目に近づく。

(鴨居功樹・東京医科歯科大学講師に取材しました)

[日本経済新聞夕刊2017年11月25日付]

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