幸せ女子VS不幸せ女子 違いはお金習慣にあった

「頑張っているつもりなのに、なかなかお金がたまらない」不幸せ女子と、「頑張りすぎずに、お金がたまる」幸せ女子との違いはどこに? 数多くの家計を見てきたプロの視点をもとに、お金の使い方や家計管理にまつわる日々の習慣を、両者で徹底比較してみました。
【24時間編】
朝時間
[不幸せ女子] 朝は常にバタバタ、忘れ物をしてコンビニで買う
「朝からバタバタと時間に余裕がないと、遅れを取り戻すためにお金を使いがち」(大上ミカさん)。忘れ物をして買って間に合わせたり、タクシーを使ったりと、ムダな出費が発生しやすい。

[幸せ女子] 1時間早起きして、1日の準備をしっかり
「お金をためている人ほど早起きが多い」(大上さん)。予定を確認して忘れ物を防げるほか、夕食の下ごしらえやお弁当を作る時間も。「準備の時間を持つことで、ムダな支出を減らせます」
□ 朝食の準備、夕食の下ごしらえ ⇒ 出来合いのモノを買わずに済む
□ 傘、身だしなみ用品、飲み物などの準備 ⇒出先で買わずに済む
□ 部屋の片づけ ⇒ どこに何があるか把握でき、ムダ買いがなくなる
□ 先々の予定を確認 ⇒ 必要なものをよく吟味して適正価格で買える
→ 幸せ女子は、「前倒し」で行動する
ランチの支払い
[不幸せ女子]クレカで買い物し、ポイントをコツコツためる
少額の買い物でもクレカで支払い、ポイントをためるという人は注意。「クレカ払いはお金が減っている感覚が薄くなる上、ポイントにつられて余計なモノを買いがちです」(飯村久美さん)
□ 「クレカで払うのは月3万円まで」などと予算を決めておく
□ 使用するクレカは1枚に集約し、明細は必ずチェック
□ リボ払い、分割払いは損になると認識し、一括払いを徹底
□ ポイントアップキャンペーンにつられて安易に買い物をしない
[幸せ女子] 1万円以下の買い物は現金払い
「現金払いはお金の減り方が目に見えて分かるので、使い方が慎重に。日常の買い物のほとんどは1万円以下なので、それを現金払いにするだけでムダな支出を抑えられるはず」(飯村さん)

→ 幸せ女子は、ポイントに執着しない
友人との飲み会
[不幸せ女子] 誘われた飲み会には必ず参加する
場当たり的にお金を使い、気づけば赤字になってしまうのがたまらない人の典型。「誘われた飲み会には行く」「友人につられて同じ化粧品を買う」など、他人の影響による消費が多い傾向も。

[幸せ女子]誘いは適度に断り、行きたい旅行の費用をためる
「ためている人は『自分の小遣い』の予算を決め、そのなかで本当に好きなことにお金を使います」(飯村さん)。旅好きなら、その費用のために交際費を減らすなど、やりくりするのが基本。
例:「小遣い=自由に使うお金」が月3万円なら…
(1) 旅行用の貯蓄:1万円 ⇒年2回の旅費をためる
(2) 美容・服飾費:9000円 ⇒できるだけ1万円以内に
(3) 交際費:7000円 ⇒ざっくり飲み会2回分
(4) 予備費:4000円 ⇒(2)と(3)の予備や、その他の支出用
→ 幸せ女子は、自分がしたいことだけにお金を使う
夕食の買い物
[不幸せ女子] チラシを見て、安いものを買いに行く
スーパーのチラシや店頭の値札をチェックして安い食材を買えば、食費が抑えられると思いがち。しかし、「安いからと買った食材を使い切れていない」というムダが多くなっている恐れも。
□ 使い切れず残った調味料やドレッシングがある
□ 使い道に困り、傷んでしまった食材がある
□ 冷蔵庫に3カ月以上入ったままの食材がある
□ 冷蔵庫の奥が見えない
[幸せ女子] 冷蔵庫を見て、足りないものを買いに行く
「ためている人の冷蔵庫は驚くほどスッキリ。ムダに買いすぎていない証拠です」(大上さん)。手持ちの食材を使い切る、必要なものだけ買う、を徹底すれば、食費は大幅に減るはず。

→ 幸せ女子は、「使い切る」ことを意識する
家計管理
[不幸せ女子] 家計簿を細かくつけすぎて、集計が面倒に…
「お金をためるには家計簿が必須と思われがちですが、面倒なことを頑張ろうとするとストレスになり、続きません」(飯村さん)。つけることで満足し、集計や分析ができていない人も。

[幸せ女子] 収入、支出、貯蓄をざっくり把握するだけ
「自分が1カ月いくらで暮らせるかを把握し、無理のない金額を貯蓄。残ったお金でやりくりできていれば、家計簿をつけなくてもたまります」(大上さん)。下の費目を押さえておこう。
[収入] 給料など、毎月、銀行口座に入ってくる金額。
[支出(固定費)] 毎月必ず払う、家賃や水道・光熱費、通信費など。
[支出(やりくり費)] 食費や日用品代、小遣いなど。上限を決めて超えないように調整。
[貯蓄] 毎月の収入からためるお金。自動積立などの先取り貯蓄が◎。
→ 幸せ女子は、「予算感」をしっかり持っている
【日々の習慣編】
毎月の貯蓄
[不幸せ女子]自動積立定期に月5万円預金し、ちょこちょこ取り崩す
銀行の自動積立定期は毎月一定額を貯蓄できる一方、ATMで普通預金に振り替えて引き出すのも簡単。無理にたくさんためようとすると、頻繁に取り崩すことになり、挫折しやすい。

[幸せ女子]自動積立定期に月2万円預金し、取り崩さない
毎月の先取り貯蓄は確実にためられる額に設定し、残った分を追加でためるという方法なら、急な出費にも備えられる。「絶対に目減りしない通帳を作ることが貯蓄の励みに」(大上さん)
[財形貯蓄] 毎月の給与から一定額を会社が天引き。引き出すには社内手続きが必要。
[個人型確定拠出年金(iDeCo)] 自分で金融商品を選び、毎月一定額を積み立てる制度。節税効果が高くておトク。60歳まで引き出せないので、老後資金づくりに最適。
[定額自動入金サービス] 毎月定額を給与振り込み口座から、金利が高めのネット専業銀行へ移す。手数料無料。
→ 幸せ女子は、「常に右肩上がり」の口座を持っている
買い物
[不幸せ女子] ストレスがたまると、ついネットで衝動買い
「ためられない人は、お金を使うことでストレスを発散し、心を満たしている場合も」と飯村さん。手軽なネットショッピングでの衝動買いが多い人は、『ストレス買いかも』と自覚を。
□ 必要がないのに、コンビニや100円ショップに入らない
□ クレジットカードは基本的に持ち歩かない
□ ネットショッピングサイトからのメルマガの購読を解除する
□ 移動時間やリラックス時間には、ネットを見ずに本や漫画を読む
[幸せ女子] ストレスは、運動や読書で上手に発散
ストレス買いをなくすには、買い物以外でストレスを発散する習慣を持つこと。運動する、漫画や本を読む、ライブに行くなど本当に好きなことで心を満たせれば、物欲は抑えられるはず。

→ 幸せ女子は、物欲に振り回されない
モノの整理
[不幸せ女子] 安くて衝動買いした服を、フリマアプリで1点ずつ売る
古着はフリマアプリで手軽に売れる時代だが、「着ない服は売ればいい」という発想でムダ買いが増えてしまっては本末転倒。吟味して買う習慣をつけることが、ムダ買いを減らす第一歩。

[幸せ女子] 服はとことん着倒してから、寄付やリサイクルに出す
服を買うときは「着倒せるか」を念頭に購入。着なくなった服は、捨てる、寄付するなど手間の掛からない方法でこまめに手放すことで、手持ちの服が管理しやすくなり、ムダ買いも減る。
□ リサイフク
HPで申し込み、服など10点以上を段ボールで送付。査定額+10%が途上国の支援金に。一部地域を除き送料無料。
□ WE21ジャパン
状態の良い衣類などを倉庫「エコものセンター」へ送付。「WEショップ」での販売収益がアジアなどへの支援金に。
□ H&Mの古着回収
ブランド・状態を問わず、不要な服をH&Mの各店舗へ持ち込むと、古着やリサイクル衣類として利用される。
→ 幸せ女子は、「使わないモノ」を持たない
【既婚・子供あり女子編】
特別出費
[不幸せ女子] 旅行や家電購入などで貯蓄を頻繁に取り崩す
月々の支出は予算内で管理していても、旅行や家電購入、冠婚葬祭など、年に数回の特別出費で貯蓄を取り崩すケースも。既婚・子供あり家庭は特別出費が増えがちなので注意したい。
□ 家電や家具の買い替え代・修理代
□ 固定資産税、自動車税、車検の費用
□ 帰省や旅行の交通費や宿泊費
□ 冠婚葬祭費
□ 親戚や友人への出産祝いや結婚祝い
□ 子供の修学旅行費用
□ 子供の塾の夏季講習・冬季講習代
□ 予期せぬケガや病気の医療費
[幸せ女子] 特別出費分の予算を確保し、貯蓄は取り崩さない
年間でどんな特別出費があるか、確実に必要なもの、必要になりそうなものを、大まかな金額で予算化しておこう。その分を予備費として確保し、肝心の貯蓄は取り崩さないことが鉄則。

→ 幸せ女子は、特別出費を見落とさない
時間の使い方
[不幸せ女子] 育児や仕事で時間に追われ、お金の使い方が雑に
「時間に追われていると少しのことを考えるのも面倒になり、お金の使い方が雑になります」(大上さん)。タクシー移動や外食が多くなるなど、「便利」をお金で買う頻度も上がりがちに。

[幸せ女子]ひと息つく時間を持ち、お金の使い方が慎重に
子育て中でも自分の時間を持つことで、お金の使い方が変わる。「慌てて買う前に『この出費はムダにならないか』『買わずに済ませられないか』と考えることができます」(大上さん)
□ 録画した番組を見る、本を読む⇒ストレスを解消でき、余計な買い物をしない
□ 必要なもの・欲しいものリストを書く⇒お金の使い方をじっくり考えられる
□ 資格取得などのための勉強⇒自己実現 の欲求が満たされ、買い物欲が落ち着く
□ 家族の将来を見通す⇒必要になるお金をリスト化し、貯蓄の目標を立てられる
→ 幸せ女子は、「自分の時間」を持っている
夫との関係
[不幸せ女子] 夫の小遣いは最小限。お金の話をするとギスギスしがち
「夫の小遣いを最小限に削り、『足りないときはその都度申請する』方法は夫の不満がたまる。お金の話をするときも『また小遣いを減らすのでは』と警戒され、ギスギスしがち」(大上さん)
□ 夫への感謝をこまめに伝える
□ 普段から会話を多くする
□ 夫の機嫌がいいときに話す
□ 家計簿や通帳を見せながら話す
□ ライフプラン表を作り、いつ、どのくらいお金が必要かを示す
□ 夫が好きなことに対する出費には、とやかく言わない
[幸せ女子]夫の小遣いは多めに設定。お金の話はこまめにする
「ためている人は、夫を上手に立てています」と大上さん。「小遣いを多めに渡すことで夫はそのなかでやりくりする習慣がつき、夫を尊重する姿勢も伝わる。お金の話もしやすくなります」

→ 幸せ女子は、夫を上手に立てている
この人たちに聞きました

マネーライター・FP。生活情報誌やマネー誌で、家計のやりくり、貯蓄、金融商品、年金、老後など、マネー全般のテーマを取材・執筆。著書は『お金が勝手に貯まりだす暮らし』(リベラル社)。
(イラスト:南夏希)
[日経ウーマン 2017年11月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。