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駒東の同級生に「敗北」 ユーグレナ創業に生かす 出雲充・ユーグレナ社長が語る(下)

2017/11/27

 インターネットの普及前でしたから、国連に関する情報はもっぱら本が頼り。国連で働いた経験のある日本人の著書を読むと、著者の中に東大を出た人が結構いました。それで東大を目指そうと決めました。

 駒東の学生は人前では勉強しないと言いましたが、人前でなくても普段はあまり勉強しません。部活動やその他の課外活動を一生懸命やり、テストの前だけ集中して勉強するのが基本です。

 ただしそれは高校2年生までの話。高3になって部活動を引退し、5月の体育祭を過ぎると、受験に向けて一斉にギアが入ります。それ以降は、人前であろうとなかろうと、なりふり構わず必死に勉強。塾にも通い始めます。夏ごろに東大向けの模擬試験を受け、自分の位置が初めてわかります。

 私は、最初は「不合格」の判定でした。これで逆に闘志がわいてきて、必死に勉強したら何とか間に合いました。駒東生はみんなギアチェンジがうまい。駒東での最初の5年間は、いってみれば、最後の1年間のためにオンとオフの切り替え方、集中力の発揮の仕方を学ぶ時間だと思います。

 現在はユーグレナを経営するかたわら、日本の将来を担う科学者の育成にも力を入れる。

今は図書館で自習する生徒も目につく(東京都世田谷区の駒場東邦)

 先日2017年9月期の決算を発表しましたが、好調な食品関連事業に支えられ、3期連続で過去最高益を計上しました。ミドリムシと出合うきっかけとなったバングラデシュの子供たちの栄養失調を解決するプログラムも引き続き続けていきます。当面の最大の目標は、東京五輪・パラリンピックが開かれる20年までに国産ミドリムシから製造したバイオ燃料で飛行機を飛ばすことです。油の抽出量を増やすためにミドリムシの品種改良にも取り組んでいるところです。

 個人的には、次世代の科学者育成のために文部科学省が主体となって行っている「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業」の支援にも力を入れています。日本は科学分野で毎年のようにノーベル賞を受賞していますが、いま受賞対象となっている研究成果は、基本的にどれも20年ぐらい前のもの。理科力が衰えて将来、日本が大変なことにならないよう、私も講師として全国の指定校に出向き、理科の大切さや面白さについて話をしています。

 駒東は残念ながらSSHの指定校には入っていませんが、時々、母校で話をする機会をいただいているので、その時には、天国のような6年間を過ごさせてくれた母校への恩返しのつもりで、色々な話をさせてもらっています。

(ライター 猪瀬聖)

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