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お笑い芸人に「仲良しコンビ」が増えているワケ

日経エンタテインメント!

2017/12/26

10年頃を境に、司会のスキルと、芸人としての実力の、両方を求められるようになったのだ。そこで、様々な状況での対応力に優れるくりぃむしちゅーやバナナマンらに白羽の矢が立つように。「芸人さんがホスト側の番組が増えましたよね。進行をしつつ、ゲストを立てて、メンバーの様子を見ながら話を振り、やり取りを笑いに変える。芸人さんに求める役割が増えたと思います。それをこなす中心人物が仲のいいコンビなら、チームワークがうまくいくので、非常に安心感があります」

AI-TV(月曜23時/フジ系)

木月氏は『今夜はナゾトレ』で16年からくりぃむしちゅーと仕事をするようになり、その仲の良さに初めは驚いたという。「打ち合わせの時間になってもなかなか部屋から出てきてくれなくて、何かと思ったら、マネジャーさんが『2人の会話が盛り上がりすぎているから待ってくれ』と(笑)。でも、その関係性がやっぱりコンビ芸につながっています」。彼らはタカアンドトシと同様、今もコンビで1つの楽屋に入っているという。

■ぶっちゃけトークで素の姿が明らかに

時代の変化も関係していそうだ。スマートフォンの普及率が15年には70%を超え、SNSの利用も増えた。ツイッターを例にとると、12年に15.7%だった利用率は、16年は27.5%に上昇している(※1)。ダウンタウンの松本人志がツイッターを始めたのが13年。「うちのゴリラです」と相方の浜田雅功の写真を公開したツイートが話題になった。現在のフォロワー数は510万人超。たびたび芸人仲間との和やかな写真をアップし、ファンを喜ばせている。

SNSで有名人のプライベートな姿を垣間見られるようになると、『解禁! 暴露ナイト』など、様々なタイプのぶっちゃけトークが登場。「ギャラから過去のことまで、どんどん素の部分が明かされましたよね。そうなると、『コンビの関係性は本当はどうなの?』という目線になってきて、実際に仲がいいとほっとするのでしょう。安心して見ていられるコンビに支持が集まる傾向はあると思います」。『ダウンタウンなう』(フジ系)や、『博多華丸のもらい酒みなと旅2』(テレ東)のような、酒を飲んでの本音トークで、相方愛にあふれる発言が出るのも好まれる。

さらに言えば、お笑いの世界にもブロマンス(※2)的なものへの需要がある。オードリーの漫才で、「本気で嫌だったらお前と漫才やってない」と言って笑い合う所があるが、「『笑っていいとも!』時代に、若林さんに『本当は春日のことが大好きでしょ』みたいなファンレターがすごい届いたんですよ。『BL(ボーイズラブ)』とか『腐女子』などのワードが普通に使われるようになった今、そんな見方をする傾向は、強くなってきている気はします」。

さらに今は、人気の出るタイプが自虐キャラやいじられキャラが多い。「人をおとしめるような笑いは好かれないですね。ANZEN漫才のみやぞんのように、やってる側が笑われるような、優しい雰囲気、多幸感のある笑いがいまは求められているんだと思います」

※1 出典:総務省「平成29年版 情報通信白書」

※2 性的関係のない親しい男性同士の関係を指す

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2017年12月号の記事を再構成]

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