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『HiGH&LOW』 男子の「ワイガヤ」がヒットの鍵 TREND EXPO TOKYO 2017 講演レポート

2017/11/15

 2015年にテレビドラマから始まり、公開された映画3作品の累計興行収入が45億円を超えた『HiGH&LOW』シリーズ。5つのチームが抗争を繰り返す「SWORD地区」に、伝説の男・琥珀が戻るところから始まる物語だ。11月11日には、劇場最新作『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』が公開された。このシリーズがいかなる発想で生まれ、人気を高めている理由は何か。出演する俳優・小澤雄太氏、八木将康氏、脚本・プロデュースを担当する平沼紀久氏が語ってくれた。

映画『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』公開中 (C)2017「HiGH&LOW」製作委員会
俳優 小澤雄太氏。1985年生まれ。LDH所属。『劇団EXILE』のメンバー。 『HiGH&LOW』には、「達磨一家」の加藤鷲役で出演

 11月3日にベルサール東京日本橋で開催された「TREND EXPO TOKYO 2017」(主催・日経BP社)で、「『HiGH&LOW』シリーズの世界を探る」と題されたセミナーが開催された。

 小澤氏は「セミナー感がすごいですね」と笑顔で登壇。進行を務める日経エンタテインメント!編集部の羽田健治はこの作品を取り上げた理由を「ただのヒットシリーズものでなく、そこにいろいろな仕掛けを施している。それがどのような経緯で生まれたのかを探りたい」と説明した。連動する音楽ライブイベントの開催や動画配信サービス、DVDでのスピンオフ作品を次々と発表するなど、今までの日本エンタテインメント界にはなかった挑戦を続けている。

 平沼氏は、「『HiGH&LOW』は八木氏が演じる伊集院甲というキャラクターが作品の発端になった」と明かす。八木氏の所属事務所「LDH」の会長であり、本作の企画を担当するEXILEのリーダー・HIROこと五十嵐広行氏と平沼氏らは雑談のなかで、八木氏に「キレると怖い『カニ男』」というキャラクターを設定。「そういう子はどんな家族と、どんな環境で育ったのか。周りにはどんな人がいたのか……」と語り合ううちに、伊集院という人物に投影され、いつしか『HiGH&LOW』の世界観も構築されて、映像化に至ったのだそうだ。

俳優 八木将康氏。1987年生まれ。LDH所属。『劇団EXILE』のメンバー。『HiGH&LOW』には、「山王連合会」の伊集院甲役で出演
脚本・プロデュース 平沼紀久氏。1976年生まれ。LDH所属。『HiGH&LOW』シリーズのテレビドラマ第1作から脚本を手がける

 『HiGH&LOW』シリーズはスタートからわずか2年ほどで、いくつもの作品を発表。LDHにはアーティスト、パフォーマー、俳優と、所属するメンバーのジャンルも多様なだけに、五十嵐氏はエンタメの新しいスタイルに挑戦すべく、皆を総動員し、早いペースでの作品展開を当初から考えていたそうだ。平沼氏もスタート当初、「登場人物も多く、最初は風呂敷を広げるのが大変だった」と当時を振り返る。

■ライブと完成披露試写会を一緒に開催

ライター ガイガン山崎氏。1984年生まれ。エンタメ専門ライター。怪獣映画&変身ヒーロー番組を中心に、アクション映画、海外ドラマなど広く執筆

 トークショーには、怪獣映画やヒーローものに精通する、エンタメ専門ライターのガイガン山崎氏も参加。「『HiGH&LOW』は、作品の世界観を取り入れたライブも併せた新しい挑戦。特撮はアクションはやるけど、俳優さんがライブをやったりはできないですから」と山崎氏が語ると、平沼氏は次のように答えた。

 「今までにないエンタテインメントを作っていきたいという思いがHIROさんの中にはあって。LDHは音楽のアーティストがいて、役者(劇団EXILEなど)もいることが強みだと思うんですね。今度もライブと完成披露試写会を一緒にやるんですが、そういう新しい挑戦をどんどんやろう!って始まった企画でもあるんです」(平沼氏)

 また、山崎氏は、『HiGH&LOW』がヒットした要因として、「LDHファミリーの女性ファンに向けた作品にしていないところ」と分析する。「映画第1作で、大がかりな本格的アクションシーンがあった。LDHファンの女性に向けた作品ならば、これは必要のないこと」(山崎氏)

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