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リクルートワークス研究所の調査によると、「転職の満足度」は20代前半の70.2%をピークに60代の40.6%まで、年齢とともに低下傾向がみられるそうです(2015年3月発表「ワーキングパーソン調査」)。しかし、そんな中でも満足度の高い転職を実現しているミドル世代は、確実に存在しています。今回は、40歳までという年齢制限がありながら、営業責任者の募集で採用された47歳のAさんのケーススタディーをもとに、豊富な経験にとどまらず、ミドル世代が企業に求められる資質についてお話ししたいと思います。

年齢制限40歳の募集に採用された47歳

弊社に人材紹介の依頼があったのは、自社で独自開発したクラウドサービスを展開する設立10年目のベンチャー企業。3年前に開発したサービスがヒットし、年々引き合いが増えて成長を続けてきましたが、競合が出現する前に一気に市場シェアを獲得しておきたいという理由で、法人営業チームの部長候補を募集するお話でした。管理部門全体を統括する部長にアポイントをいただき、求める人材像の詳細を確認するために伺いました。経験やスキルの話を一通り聞き終えた後、年齢のお話がありました。

管理部長 「黒田さんにまだお伝えしていませんでしたが、年齢は40歳くらいを上限に候補者探しをお願いします」
 「なるほど。上限年齢を40歳に制限されるのは、どんな理由によるものか、念のため教えていただけないでしょうか?」
管理部長 「営業を管轄している執行役員が41歳なんです。その執行役員の右腕として活躍してもらえる次世代の経営人材を急いで採用したいので、わざわざエージェントさんにお願いしているんですよ。(年齢制限を禁じられている)法律の観点なら大丈夫です。例外事由として認められている、特定の職種で不足している年齢層に限定した採用という項目に合致しています」
 「すでに法的なチェックまで済ませられているんですね。承知しました。ただ、経験やスキル、人間性などを勘案して、活躍できるのではないかと判断した場合は、年齢制限を超えた方も推薦させていただきたいのですが大丈夫でしょうか?」
管理部長 「40歳以上だとかなり確率は低くなりますが、幅広く推薦をいただくのは大歓迎です」

企業に人材を紹介し、求職者に求人を紹介する立場としては、その企業で活躍できる可能性が高い方を、少しでも広く探してお勧めしたいので、この段階で年齢の限定を超える提案の機会をいただけるだけで、かなりモチベーションが高まります。

その後の2週間で7人の候補者と面談した上で、30代後半の2人と47歳、合計3人の方を推薦しました。他のエージェントからも10人以上の推薦があったようなので、書類選考段階では20人近くの候補者がいたはずです。

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