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苦肉の「九州ノロノロ特急」誕生 歓迎したのは訪日客

日経トレンディネット

2017/11/25

箱崎駅に6分ほど発車するも、速度は上がらずノロノロと走行。4駅先の福工大前駅でまたもや停車だ。ここでは3分止まって、博多駅を16分後に発車したソニック9号に抜かれた。ちなみにソニック9号の大分駅到着は11時6分。なんとゆふいんの森より1時間25分も早い。カーブでも速度を落とさずに走れる振り子車両を使っているとはいえ、この所要時間の差にはがく然とする。

出発してすぐ箱崎駅で快速列車に抜かされ(写真上)、福工大前駅では特急ソニックに抜かれた(写真下)

しかし、ゆふいんの森には、それを補ってあまりある魅力がある。ビュッフェ(簡易食堂)で提供される数々のご当地メニュー、そして客室乗務員によるおもてなしだ。

車内販売を廃止する特急列車が多いなか、ゆふいんの森には4人の客室乗務員が乗務。2号車にビュッフェが設けられ、湯布院の名店が手がけるアイスクリームやサイダー、ジュースなどが販売されている。乗車記念のグッズなどもそろい、行列が途切れぬほどの人気ぶりだ。購入した商品は座席に持ち帰ってもいいが、隣の3号車にあるサロンスペースで、流れる車窓を眺めながら味わうこともできる。

また、客室乗務員が車内を回り、記念写真を撮ってくれるサービスもある。記者が乗った夏休み期間中は、インスタントカメラのチェキで撮影するイベントも行われていた。

出発早々、ビュッフェは大にぎわいだ(写真上)。隣の車両にあるフリースペースでくつろぐ人も多い(写真中)。客室乗務員による記念撮影は、JR九州の観光列車では定番(写真下)

放送による観光案内も、通常の特急にはない特徴。列車は海老津駅で11分ほど止まり、またもや特急ソニック11号に抜かされたのだが、停車中に最寄りの宗像大社の案内が放送された。

その後も八幡製鉄所やスペースワールド、小倉城などについて随時案内が入った。観光列車ではよく聞く放送だが、北九州方面には観光列車が普段走っていないため、貴重といえるだろう。

■5本の列車に抜かれた

列車は折尾駅でも6分ほど止まり、快速列車に抜かされる。これで特急2本、快速2本に追い越されたことになる。

折尾駅でもドアは開かないのだが、折尾駅名物ともいえる駅弁の立ち売りのおじさんが大きく手を振って出迎えてくれた。窓も開かないので売り上げに貢献できないのが申し訳ない気持ちになった。これだけダイヤに余裕があるのだから、折尾駅くらいは停車駅にしてもいいのではないかと思うが、JR九州に聞いたところ、なかなか難しいとのこと。ゆふいんの森に使われている車両は窓からの眺めを重視したハイデッカー車両で、出入り口に段差がある。このためバリアフリー対応には駅側の受け入れ体制を構築しなければならないのだそうだ。

小倉駅に着いたのは10時26分。特急ソニックは約1時間、快速列車は1時間10分で走り抜ける区間に1時間41分を要した。普通列車と同程度の所要時間である。

小倉駅では今までと打って変わり、わずか4分の停車でそそくさと発車する。線路は鹿児島本線から日豊本線へと変わり、それと同時に進行方向が逆向きになる。

進行方向が変わるため、座席の向きも変える必要がある。小倉駅到着前に、外国人にも分かりやすいように客室乗務員お手製のフリップを使っての説明も行われたのだが、やはり難しかったよう。座席を回転させるペダルに気づかなかったようで、結局客室乗務員が回り、回転を手伝っていた。

小倉駅到着前に進行方向が変わることを説明する客室乗務員。お手製のフリップは迂回運行のために作られたものだ

小倉駅から3駅目の城野駅に8分停車。博多駅を1時間以上後に出発した特急ソニック13号が隣を猛スピードで通過していった。抜かされたのはこれで5本目になる。

城野駅でも特急ソニックに抜かされた。結局、合計5本の列車に道を譲った

しかし、ノロノロ特急もここまでだった。

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