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都会のキャリア、地方で生かす ストーリー立て助言

2017/11/7 日本経済新聞 朝刊

豊富なキャリアを生かして地域の活性化に取り組む壱岐しごとサポートセンターの平山真希子副センター長

 大都市でキャリアを積んだ女性が、移住先の地方都市の活性化で存在感を高めている。結婚や夫の転勤などで一旦、職を離れざるを得ない女性は少なくない。セカンドキャリアを新天地で始め、活躍する動きを追った。

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■商品開発など無料で相談 壱岐の平山真希子さん

 「商品開発の渡辺さん自身の奮闘にスポットを当てた方が注目される」。10月中旬、玄界灘に浮かぶ壱岐島(長崎県壱岐市)の壱岐しごとサポートセンター(イキビズ)で、副センター長の平山真希子さん(42)が熱く語った。

 平山さんは大学を卒業し現在のP&Gジャパン(神戸市)に入社。マーケティング部門ではポテトチップス「プリングルズ」の包装イラストの変更を手掛け、PR部門でヘアケア部門の広報責任者を務めた。今は壱岐で地元の相談に乗る日々だ。

 地元産ウニ加工品のリニューアルの相談をする水産加工会社、壱岐水産(壱岐市)営業部長、渡辺菜津美さん(29)は深くうなずいた。お気に入りのデザイナーに直接、包装デザインを交渉。その先のPRの知恵を求めていた。

 思いを込めた仕事ぶりに「商品化までのストーリーを含めセールスポイントになる」と、ホームページなどへの自身の登場を提案された渡辺さんは「自分がPRの表に出る発想はなかった。平山さんの存在とキャリアを基にした助言は心強い」と話す。

 イキビズは産業振興の支援に取り組む壱岐市出資の一般社団法人で、8月に発足した。販路拡大や情報発信、商品開発など事業者の相談に無料で応じる。相談件数180件という初年度(約7カ月)の目標を2カ月で達成するなど、島民の関心は高い。

 平山さんが地域の活性化に取り組むのは初めてではない。魅力を発信しきれていない地域が多いことがもどかしく、群馬県みなかみ町の観光協会に4年間勤務した。地域行政や小さな企業がどう考え、動くかの実態を学んだ。

 古くから朝鮮半島と九州を結ぶ海上交通の中継地として栄えた壱岐島。人口約2万7千人(2015年)はピーク時の半分だ。基幹産業の農漁業は後継者不足で、事業者数も5年間で約15%減った。

 3年半前、老舗旅館の後継者との結婚を機に壱岐に移り住んだ平山さん。若女将としての仕事と3人の子育てに追われている時にイキビズの創設と副センター長の募集を知る。子どもたちの将来のためにも、自分のスキルと経験を生かして島を活性化したいと名乗りを上げた。「島の生産者や事業主一人ひとりの生活がかかっている。責任は重いが、やりがいも大きい」

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