2017/11/11

ウェリク氏も、後から観測に参加した他の天文学者たちもすぐに、この天体ははるか昔に未知の恒星系から放たれ、こと座経由で飛んできて、偶然に太陽系を通過しているのではないかと考えた。

とはいえ、A/2017 U1の軌道を特定するのは容易ではなかった。当初のデータが少なかったせいだ。正確さに欠けるデータを除けば、太陽系を非常に大きく周回する軌道になるという意見も一部の学者から聞かれた。

しかし、A/2017 U1の位置が特定されたあとは、多くの天文学者たちが観測に加わり、データが増えるに従って、天体のスピードが太陽系内を移動しているものとしては速すぎることが確実となった。そして10月26日、新たに確定した軌道により、星間空間からやってきたことが確認された。(参考記事:「銀河系内に高度な文明をもつ惑星が存在する可能性 」)

米ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所の惑星天文学者、アンディ・リブキン氏は言う。「過去には、恒星間を移動する天体を発見したという情報が誤って流されたこともありました。(しかし)今回はその逆です。天文学者の間に、これが本物であることを疑う声はありません」

リブキン氏はまた、この物体が土星や木星の重力によって押し出された太陽系内のものではないかという可能性についても、きちんと検証がされていると語る。「そうではないというのが、天文学者の結論です。これは正真正銘、本物の恒星間天体です」(参考記事:「4光年先に地球大の惑星 超高速で探査機送る新手法」)

まずはデータを取ること

A/2017 U1は当初、彗星(すいせい)に分類されていた。だが、ハワイ大学天文学研究所の天文学者カレン・ミーチ氏が行った追跡観測により、その可能性も除外された。もし彗星であれば、太陽に近づいたとき、ガスとちりからなる尾とハローをまとうはずだからだ。しかし、A/2017 U1の周囲にはそうしたものは見られなかった。

ではこの天体はいったい何なのだろうか?

「すぐに推測できるようなものではありません。まずはデータを取ることです」とウェリク氏は言う。

リブキン氏も、今回収集されるデータは歴史的なものだと話す。

「これは別の星系からやってきた訪問者であり、我々はそれを見られるときと場所にいるのです。この天体が以前はどこを飛んでいて、これからどこへ飛んでいくのか、それは誰にもわかりません。宇宙は広く、我々は今ここでそれを目の当たりにしたのです」

(文 Michael Greshko、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年11月1日付]

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