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ビジネス英語・今日の一場面

理由を言いにくいとき キツく聞こえる3つの英語 デイビッド・セイン「影の英語」(52)わけは聞かないで

2017/11/9

 ひとつの言葉は様々な顔を持っています。日本人の言葉が意図していない意味合いで伝わることもあります。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が使いがちな言葉から「影にある意味」を紹介します。今回は、個人的事情で早く帰らなければならないという場面です。

◇  ◇  ◇

 好むと好まざるとにかかわらず、私たちの世界には想定外のことが起こるものです。勤務中に帰らざるを得ないことが起きた。そのような場合はほとんどがプライベートの事情によるものです。そのため本当のことはなかなか言いたくありません。どうして、どうしてと聞いてくる人がいるのも事実です。

 Why do you need to go home early? なぜ早く帰宅しなければならないの?

▲Why do you need to know?
正しい訳:なぜあなたが知らないとならないのですか?
影の意味:なぜあなたに言う必要があるのですか?

 理由を聞く場合、Why do you…? で尋ねるとかなり直接的なニュアンスがあり、時によっては失礼になる可能性があります。この言い回しの中には「個人的な問題です。人に言いたくはありません」という気持ちがあります。

▲Why are you so interested?
正しい訳:なぜ興味があるのですか?
影の意味:なぜあなたが興味なんか持つの?

 場合によっては喧嘩腰の言い方になります。Because I had to. 「だって聞かなきゃならないからさ」などと答えれば、これは火花が散りそうです。Why…? の問いに対してBecause…で答える。これはもう一線を越えるかもしれません。しかし、しつこく質問を繰り返す相手には牽制になる表現でもあります。

▲I don't have to tell you.
正しい訳:あなたに言わなくてもいいんじゃないかしら。
影の意味:あなたに言う義務はどこにもない。

 don't have to…は「~する必要はない」の意味。You don't have to worry. なら「心配する必要はありません」、You don't have to work overtime today. なら「今日は残業する必要はありません(しなくていいですよ)」の意味になり、相手に対する思いやりのある表現になります。しかし、主語がI の場合「~する義務はない」というニュアンスが出てきます。

これなら影の意味はない

◎If possible, I'd rather not explain.
 できるなら、説明したくはないのですが。

 I'd rather not…は「~しない方がいいと思う、~したくはない」の意味。I don't want to…「~したくない」と言うよりも控えめで丁寧な響きがあるため、角は立たないでしょう。

◎Well, maybe I could tell you later.
 えーと、今度説明しますね。

 「言わない、言いたくない」のように否定の言葉を使わず、maybe …later 「今度」と言うことでこの場をきちんと収めることができます。時期が来て本当に言うのか言わないのかは別の話になります。

◎It's kind of embarrassing, so please don't ask.
 ちょっと恥ずかしいんで、聞かないでください。

 こう言えばさすがにそれ以上聞いてくる人はいないでしょう。

kind of embarrassing:ちょっと恥ずかしい

あなたの知らない本当の使い方―― because

 Why…? と来れば Because… このペアをしっかり覚えている人も多いはずです。because 「なぜならば」は理由を述べるための大切な接続詞です。しかし、このペアは実は穏やかとは言えない喧嘩腰のやり取りになる可能性があります。Whyの答えだけではないbecause の使い方を知っておきましょう。

Just because. ただ、なんとなくね。

*理由を尋ねられても、答えようがないときもあります。「ただなんとなくね」としか答えられない場面では使い勝手のよい言い回しです。

I got fired, and it's all because of you. 首になっちゃったよ。全部お前のせいだ。

* It's all because of:何もかも~のせいだ、これもひとえに~のおかげだ *これは良い意味、悪い意味、両方に使えます。

Just because I'm late doesn't mean I'm not interested. 私が遅れたからと言って、興味がないわけではありません。

*Just because ~ doesn't mean …:~と言って… というわけではない、~だというだけで…と決まったわけではない *よくある誤解などをただす場面で使われます。

We had to change our plans, mainly because of the weather. 主に天気の理由で、私たちは計画を変更しなければなりませんでした。

* mainly because of:主に~の理由で

We shouldn't give up simply because one client doesn't like the design. ただ1人のクライアントがデザインを好きではないというだけの理由で、私たちは諦めるべきではありません。

* simply because:ただ~というだけの理由で

We sold our factory in great part because we needed the money. 我が社は、主にお金が必要であったという理由から工場を売ってしまいました。

* in great part because: 主に~という理由から

A: Why do I have to give the presentation? B: Because I say so! A: なぜ私がプレゼンをしなくてはならないのでしょうか。 B: (なぜって)私がそう言うのだから(従いなさい)。

* Because I say so. 「なぜなら私がそう言うのだから」すなわち「私がそう決めたんだから、従いなさい」ということ。

 because of… は「~が原因で、~のせいで」のように「理由」を表します。He had to leave early because of illness today. であれば「彼は今日病気で早退しなければならなかった」、The summer campaign succeeded because of their hard work. であれば「サマーキャンペーンは彼らの努力で成功した」となります。because of は何かの原因や理由を表す場面で最も一般的に使われるフレーズとなります。このようにネガティブな場合、ポジティブな場合、両方で使われます。

 due to もまた同じように原因や理由を表すフレーズですが、because of に比べるとフォーマルな言い回しになります。The meeting was cancelled due to lack of communication.「連絡の不備により、会議は中止となりました」。The train was delayed due to heavy rain.「電車は大雨のせいで遅延しました」。due to もポジティブ、ネガティブ、どちらでも使えますが、例文が表すように、どちらかと言えばよくない原因で使われる場面が多くなります。

 前向きな言い回しであれば thanks to「~のおかげで」。Thanks to you, we were able to finish two hours earlier than expected! 「あなたのおかげで、予想より2時間も早く終われたわ!」のように使うことができます。では次の文の意味は? Thanks to you, we all have to work overtime.「君のせいで皆残業だよ」。この場合のthanks to は「~のおかげ」とは真逆の意味になります。

Keep on going!

: D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。次回は11月16日の予定です。

デイビッド・セイン David Thayne
 米国出身、20数年前に来日。 翻訳、通訳、執筆、英語学校経営など活動は多岐にわたる。企業や学校の人気セミナー講師。英語関連の出版物の企画・編集を手掛けるAtoZ(http://www.atozenglish.jp)・AtoZ 英語学校代表。

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